日経平均は“メジャーリーガー”?

日経平均は“メジャーリーガー”?
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 森永氏は「日経平均は“メジャーリーガー”のようなもの」だと言う。

プロ野球選手まで入れると上場企業4000銘柄になる。我々が景気実感と言っているのは、ピラミッドにすら入っていない人たち。野球に例えて言うと、大谷選手は日本人でメジャーで50本打っているので、草野球やっている人もメジャーに行ったら同じ50本ぐらい打てると、もし打てなかったら乖離しているじゃないかと考えるのは違う」

 実態の景気がいいと感じるのはまだまだ先になるのか。

「かなり2極化していくと思う。大企業に勤めている人や、すでに資産の多くを投資に回してる人たちは、景気が良くなったなとか株価上昇で恩恵受けたなと思うが、それは本当にごく一部の人たちで、多くの人たちは、物価が上がって賃上げされているけど、思いのほか生活が良くなっていない、むしろ苦しくなっていると思われる人のほうが絶対数としては多い思う」

 この先の市場の展開で森永氏が気になることはあるのか。

「2点あって、日銀の利上げの話。もともと日銀は利上げの姿勢を崩していないが、それでも今年の1月に利上げして以降は金利を上げていない。日米の関税交渉がどうなるかわからないので上げられなかったが、これが合意して終わったので上げない理由はない。これは金融政策側の懸念。もう1つ財政政策側の懸念としてあるのは、法人増税。これは景気を冷やす効果がある。マーケット以上に生活経済にとって冷や水。ただ、私がよく言うのが日本の伝統芸能。この30年ぐらい見ると、景気が回復しそうだなというときに、『金利を上げよう』『増税しよう』と腰を折る。僕からすると、今利上げや法人増税の話が出ることに対して意外感はあまりない」

 インフレが進んでいたとしても、利上げをすることで景気を冷やす効果は大きいのか。

「インフレが金利が低いことによって起きているのかというところの整合性が果たしてどれだけあるのか。もちろん、金利を日銀が上げることによって円安が収まって輸入物価が下がる効果は期待できる。ただ、日銀が金利上げたからといって米が増えるわけでもないし、ウクライナとロシアの戦争が終わるわけでもない。どちらかというと、金利を上げたことによって住宅ローンの返済がきつくなってしまったり、中小企業の返済がきつくなってしまうなど、悪影響のほうが大きいと思う」

(『ABEMAヒルズ』より)

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