20日から横浜で第9回アフリカ開発会議(TICAD9)が開幕される。今年は、史上最多となる500以上の多彩なテーマ別イベントや首脳会合などが3日間にわたって行われるが、そもそもTICADとはどんなもので何が狙いなのか?
テレビ朝日政治部 飯田陸央記者とJICAアフリカ部参事役 加藤浩一氏に聞いた。
━━そもそもTICADとはどういったものなのか?
飯田記者「TICADは『アフリカ開発会議』の頭文字を取ったもので、1993年に日本が提唱して始まった。国連や世界銀行、アフリカ連合と共催して3年ごとに開催している。アフリカの開発援助や経済協力の強化を目的としており、40カ国以上の大統領や首相、首脳級が出席する」
━━これまでのTICADでは何が決まったのか?
飯田記者「日アフリカ官民経済フォーラムの立ち上げや、日本企業とアフリカの国々をつなげやすくしたこともある。前回は3年間で官民総額300億ドル規模(約4兆円)の資金を投入することを決めた」
━━日本側の狙いは?
飯田記者「アフリカには54カ国もあり、これらの国々から協力を得られると日本外交にとって大きな意味がある。例えば2018年、万博の開催地を選定する際の投票でもロシアと競った時にアフリカの国々の多くが大阪に投票してくれた。経済面でも、アフリカ全体の平均年齢は19.2歳であり、GDP成長率は21カ国で5%超え、エチオピア、ニジェール、ルワンダ、セネガルでは7%超えの見込み。さらに2050年には人口も25億人になると言われており、市場規模も大きくなっていく」
━━JICAはどのような役割を果たしているのか?
JICA加藤氏「TICAD9でも『若者と女性の包摂』が横断的なテーマの一つとなっているが、JICAでは職業訓練という形で長らく協力している。例えば、40年前にセネガル日本職業用訓練センターを設置し、7000人が卒業しており、その就職率は84%だ。さらに、日本の大学院でアフリカからの学生を修士課程で受け入れるABEイニシアティブというプログラムもある」
━━アフリカの国々には男女差別が解消されていないイメージや衛生面に課題があるイメージがあるが、実際はどうか?
JICA加藤氏「私はセネガルにいたが、男性が女性の意見を尊重する印象も持っており、会議でも女性が発言する時は意見を遮らないようにされている。衛生面の課題がないとは言わないが、首都を中心に徐々に整理されており、水や保健などの分野についてはJICAも協力しており、環境の改善に努めている」
注目は「フランス語圏」
