中国・ロシアの戦略は?
飯田記者「最近は中国とロシアなどが影響力を強めようとしている。去年行われた中国アフリカ協力フォーラムは“TICADそのまま”だ。真ん中に習近平氏が立ってアフリカの首脳が取り囲むという形で写真も撮られた。中国はアフリカの国々を自国に呼んで様々な支援策を打ち出している。表では『我々は仲間だ』とインフラの支援とかでこうお金を出すが、一方で外務省の関係者によると中国はアフリカに20以上国営メディアの支局を立てて、中国寄りの情報を提供したりもしている。同様に、ロシアはSNSを通して情報操作を試みている」
━━そういった戦略をアフリカは気がついているのか?
飯田記者「政治の世界では当然気づいている方もいるが、中国・ロシアはエネルギーやインフラを支援するなど“実利”の部分では付き合っていかなくてはならない部分もあるようだ」
━━この状況にアメリカは対処しているのか?
飯田記者「アメリカの立場・価値観は日本と近く、様々な協力支援を行っていたが、トランプ政権になってから変わってきた。日本と共に中国・ロシアに対抗しなければいけなかったが、アフリカから関心が離れてしまっている。トランプ政権では国際援助事業を停止したりWHOから脱退など、国際援助の枠組みから離れていっており、徐々に影響が出ている。そうした中で、アフリカからも『日本なんとかしてくれ』と日本に期待する声も出ているという」
━━TICAD9の見どころは?
飯田記者「政府関係者を取材したが今回は『横浜宣言』という形で日本とアフリカの協力パッケージを打ち出す方針だという。中でも『インド洋アフリカ経済圏』を新しい構想として打ち出そうとしている。実際に自動車の大手のスズキや空調機器メーカーのダイキンらはインドで成功した事例をアフリカに持っていくというモデルをすでに成功させている。保健分野、地雷対策など、日本の強みで協力策を打ち出していくことになる」
(ABEMA/ニュース企画)

