■1発持っても意味がない…実際のコストは
日本と同じ島国であるイギリスは225発の核弾頭を保有している。原子力潜水艦を4隻保有し、核兵器の関連支出は年間で約104億ドル(1.6兆円)になる。「4隻1つのオペレーションになっている。日本はどのような脅威から核を使って自分たちを守ろうとするのか、その対象によって艦隊をいくつ持つか変わってくる。たとえば相手が北朝鮮やもっと大きい国であったとするならば、1つの艦隊だけでは不十分。アメリカの核抑止をカウントせず、本当に全部自前で信頼に足るような核抑止を作ろうとした場合は時間、人間、テクニカルなコストの掛け算では結構高くつく」と想定する。
核保有といっても1発持っていれば抑止になるというわけでもない。「10発と1発だったら、1発が必ず負ける。それにたとえば日本と中国が10発ずつ持ってお互いに撃ったとして、どちらが生き残れるか。東京2発、横浜2発、大阪2発、名古屋2発、これだけでも8発だが、(撃たれた場合に)東海道のベルトラインは大丈夫かという計算をする」。しかし、中国からすれば同様のダメージがあったとしても、余力が違う。「日本が中国に撃ったとして、中国からすれば北京や上海が壊れても、1000万都市が他にどれだけあり、華僑がどれだけいるか。そこから何世代にもかけて日本に反応すると言われた時に、日本はやる気があるのか。それだけの覚悟があるかという問題だ」とも説明した。
(『ABEMA Prime』より)

