しかし、後ろ盾のほとんどない若者が立候補しても、当選しづらい現状はある。「選挙区ごとに立候補予定者と専門家を集めて、安全保障などの重要なテーマについて、3〜4時間議論するネット配信を行えばいい。候補者の資質について解像度を高めて、若くても能力があれば出て行ける仕組みを作ることが重要だ」。

 笑下村塾代表のたかまつなな氏は、「主権者教育が後退している。18歳選挙権が導入されたときに、主権者教育が実質解禁され、文部科学省の調査では9割以上の学校で実施している。ただ、具体的な政治事象まで踏み込んでいる学校は、そのうち3割程度だと言われる」と説明する。

 また、教育現場には「選挙の仕組みは伝えられても、争点や具体的な政党については教えられない。教員も政治的中立性をおそれている。政治家を呼んでいる大学は一部のみで、高校でやろうとすると、教育委員会や選挙管理委員会が嫌がる。呼ぶ政治家のバランスでクレームも来る」といった現状もあると明かす。

 被選挙権の年齢制限についても、「成人を18歳にしたのに、“大人”でも選挙に出られない人がいるのはおかしい」と嘆く。「18歳選挙権の導入直後、各政党は『被選挙権の引き下げも検討する』と書いていたが、10年たってもやっていない。若者政策のプライオリティが低く、関心ある議員も党内を説得できない。もっと若者世代が声を上げて、この状況はおかしいという世論を作るべきだ」。

 ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は、「女性議員を増やした方がいいから」「若い議員を増やした方がいいから」といった投票理由を肯定する。「どれだけ頭が良くて優秀な議員でも、孫より下の世代のことがわかるわけがない。いろいろな属性の人を増やすべきだ。『ちゃんとした人に投票すべき』とした結果、日本経済は停滞して、人口は減少した。『資格のある、頭の良さそうな人に投票する』ことが間違いなのは証明済みだ」。

■有権者の年齢層、1票格差をどう考える
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