■音喜多駿・元参院議員「9割が義務感」「世襲議員は秘書で許される」

 日本維新の会・元参院議員の音喜多駿氏は「政治家を11年間やって、何百カ所の盆踊りへ行った」という経験から、「現職の人は認めないが、行くのは選挙のためだ。9割以上の人は行きたくないが、義務感で回っている」と断言する。「盆踊り会場で話を聞くのはほぼ無理だが、単純接触を繰り返すことは後につながる。行くのがデフォルトで、行かないと『あいつだけ来なかった』と陰で言われる。そのマイナスを防ぐ側面もある」。

日本維新の会・元参院議員の音喜多駿氏
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 現職時代を「精神的に良くない。家族サービスで土日に休んでいる時、『どこかで祭りがあった』とXで見ると、ライバル候補に出し抜かれた気持ちになる」と振り返る一方、「世襲議員のように知名度があると、『うちの代議士は忙しいから』と秘書で許される。しかし自分なんかが秘書を行かせたら、『いつからそんな偉くなったんだ』と怒られる」とも話した。

 17年の専業主婦を経て、再就職と転職を重ねる薄井シンシア氏は、「盆踊りは日本の伝統文化であり、政治家が行ってどこが悪い」と肯定する。「政治家ならば義務だ。私はホテル業界にいたが、夕方にロビーへ行き、宿泊客の空気を読むことを義務づけていた。『盆踊りに参加したから投票する』というわけではないが、政治家は雲上人でないという親近感を印象づけるのが大事だ」。

 そして、「企業の社長も、社員や株主、ビジネスパートナーへの顔見せに加えて、会社を経営しなくてはならない。タスクをうまく人に任せて、効率的に働くことが、政治家に求められる能力だ」と話した。

 国光氏は「地元回りを無駄だと思ったことはないが、人は使える時間が限られている。地元活動をフルにやると、東京で政策を練る時間が減ってしまう。参院選でも、東京では頑張っているが、地元回りが少なかった候補が、残念な結果になった。今の日本の民主主義では『両方とも頑張ろう』にしかならない」と考えている。

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