「石破降ろし」を巡る世論と自民党とのズレが、今後の日本政治全体にどんな影響を与えていくのか。ニュース番組『ABEMAヒルズ』コメンテーターで、『The HEADLINE』編集長の石田健氏と考える。
【映像】自民党議員にかけられた「なんで石破さんをいじめるんだ」
40カ国以上の首脳が集まるアフリカ開発会議で未来への決意を語った石破総理。日本の代表として各国との関係強化を図る一方で続いているのが、自民党総裁選の前倒しに関する議論だ。
党の決まりでは、国会議員295人と都道府県連の代表47人の過半数、172人以上の賛成があれば臨時の総裁選を行えると定めている。参院選の結果を受け、今週、その是非を問う手続きの議論が自民党の総裁選挙管理委員会で行われた。
8月末にまとめるとしていた参院選の総括の時期は、9月上旬にずれ込む見通しであることがわかった。総裁選挙管理委員会の2回目の会合は8月27日に行われ、前倒しを求める各都道府県連や国会議員に対する意思の表し方などについて決める方針だ。
その意思確認の方法を巡っては、記名による実施を行うかどうかが焦点になっている。名前が公表されるとなれば、各議員の判断にも影響が出る可能性が指摘されている。
お盆の期間、地元回りをしていた中堅議員は「盆踊りでは『なんで石破さんのことをいじめるんだ』と言われた。でも、地元の議員からは『なんで石破さんは辞めないんだ』とも言われたりする」。
朝日新聞の最新の世論調査では、参院選の結果を受けても石破総理は「辞める必要はない」との回答が54%と過半数を占めている。
世論と党内の空気感に乖離がある中、記名式で総裁選の実施を希望するにはリスクがある状況に。なかなか方針を決められない自民党に野党からは批判の声が上がっている。
石田氏は「まず自民党の議員あるいは党員含め、選挙を非常に重視している」と指摘する。
「これだけ有権者の選好が多様化している中で、なかなか1つの選挙だけで全権委任のような形で、『政党に全部任せるんだ』、『リーダーに全部任せるんだ』と思っていない。一方、自民党からすると、『選挙に負けたんだからその責任は重いよ』と」(石田健氏、以下同)
「選挙において考えると、石破氏の責任もあるが必ずしも石破氏個人ではなく、自民党そのものの体質だ。自民党政治のあり方を変えるようなリーダーが新しく出てきたら代わっても良いが、そうでない限りにおいては、内輪揉めしているだけだと思う有権者はまだ多いのではないだろうか」
石田氏が見る“政局のカギ”は?
