除草剤に「ガン誘発」誤情報投稿で損害賠償
【映像】「ガンを誘発する」実際のデマ投稿
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 除草剤「ラウンドアップ」を製造・販売する化学メーカー「日産化学」は、製品について虚偽の情報がインターネット上に書き込まれ製品の評判が毀損されたとして、複数の投稿者を相手に東京地裁に損害賠償請求を起こしていた。その結果、東京地裁は「企業の名誉毀損にあたる」として投稿者に賠償を命じた。

【映像】「ガンを誘発する」実際のデマ投稿

 実際に投稿された、製品についての虚偽の情報には「ベトナム戦争に使われた枯葉剤の成分グリホサートが配合」や「脳神経発達障害やガンを誘発する」などがあった。

 こうした虚偽の情報に対して日産化学側は、この製品が枯葉剤とは違う成分であることをXの投稿などで説明。またラウンドアップの主成分であるグリホサートについて、食品安全委員会は「神経毒性、発ガン性、繁殖能力に対する影響、催奇形性及び遺伝毒性は認められなかった」と評価している。(2016年農薬評価書)

 番組の取材によると、この件に関連する東京地裁の判決では、虚偽投稿2件の損害賠償等として、66万円の支払いが投稿者に命じられた。一方、訴訟にかけたコストを考えると見合わない金額とも考えられるが、企業側は結果をどう受け止めているのだろうか。

 日産化学は、「当社の目的は訴訟によって賠償金を得ることではなく、正しい情報が多くの方に伝わり、ユーザーが安心してラウンドアップを使用できる環境を作ることである」「メーカーとして正しい情報発信と、誹謗中傷に対する毅然とした対応を継続していきたいと考えている」としている。

 また2024年12月、新型コロナワクチンを製造・販売するMeiji Seikaファルマが立憲民主党・原口一博氏に損害賠償を求めて提訴した。原口氏については、ワクチンを「生物兵器」などと発言した動画配信やSNS投稿を問題視。原口氏は会見を開き反論、裁判は現在も継続中である。

企業はどう対応する?投稿者の責任は?
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