◆10月28日に行われた第5局は伊藤匠叡王が勝利し、王座を奪取しました。
将棋界にある8つの棋戦のひとつで、例年9月頃に開幕するのが「王座戦五番勝負」です。持ち時間は各5時間の1日制で勝敗を争います。現在のタイトルホルダーは七冠保持者の藤井聡太王座(竜王、名人、王位、棋王、王将、棋聖)で、今期は防衛3連覇を目指します。ここでは、王座戦五番勝負の日程・会場と、各局の結果を速報としても更新していきます。
目次
- 王座戦五番勝負の日程は?
- 王座戦五番勝負の対局者
- 王座戦五番勝負 対局予定・結果【速報】
- 藤井聡太王座と伊藤匠叡王の対局成績は?
王座戦五番勝負の日程は?
第73期王座戦五番勝負は9月4日に開幕し、フルセットの第5局まで進んだ場合、指し直しなどがなければ10月28日まで行われます。五番勝負は1日制で持ち時間は各5時間のチェスクロック使用となっており、先に3勝した棋士が王座のタイトルを獲得します。詳しい日程は以下の通りです。
| 日程 | 対局場 | 勝者 | |
| 第1局 | 9月4日(木) | アマラ・サンクチュアリ・セントーサ(シンガポール) | 藤井聡太王座 |
| 第2局 | 9月18日(木) | ホテルオークラ神戸(神戸市) | 伊藤匠叡王 |
| 第3局 | 9月30日(火) | 名古屋マリオットアソシアホテル(名古屋市) | 伊藤匠叡王 |
| 第4局 | 10月7日(火) | 元湯 陣屋(神奈川県秦野市) | 藤井聡太王座 |
| 第5局 | 10月28日(火) | 常磐ホテル(山梨県甲府市) | 伊藤匠叡王 |
王座戦五番勝負の対局者
第73期五番勝負の対局者は、現タイトルホルダーの藤井聡太王座と伊藤匠叡王です。藤井聡太王座は2023年度の第71期王座戦で永瀬拓矢九段に挑戦しました。このシリーズは、当時4連覇中の永瀬拓矢九段が「名誉王座」を獲得するか、挑戦者だった藤井聡太七冠が全冠を手中に収めるのか、大きな注目の中で争われました。結果は藤井聡太七冠が3勝1敗で勝利し、前人未踏の八冠王が誕生しました。また、2024年度の第72期王座戦では、前年にタイトルを失った永瀬拓矢九段が挑戦者に。2年連続で同一カードが実現した結果、藤井聡太王座が3連勝で初防衛を達成しました。
挑戦者となった伊藤匠叡王は、2024年度の第9期叡王戦五番勝負で初タイトルを獲得。今年度の防衛戦を制し、タイトル獲得数を2期に伸ばしました。タイトル戦登場は今期で5回目となります。今期の王座戦は挑戦者決定トーナメントから参戦し、山崎隆之九段、永瀬拓矢九段、広瀬章人九段、挑戦者決定戦で羽生善治九段に勝利し、初の王座挑戦を決めました。
王座戦五番勝負 対局予定・結果【速報】
■第1局(2025年9月4日)
会場:アマラ・サンクチュアリ・セントーサ(シンガポール)
先手・伊藤匠叡王 ●-〇 後手・藤井聡太王座
手数:66手
中継:ABEMA
■第2局(9月18日)
会場:ホテルオークラ神戸(兵庫県神戸市)
先手・藤井聡太王座 ●-〇 後手・伊藤匠叡王
手数:116手
中継:ABEMA
■第3局(9月30日)
会場:名古屋マリオットアソシアホテル(愛知県名古屋市)
先手・伊藤匠叡王 〇-● 後手・藤井聡太王座
手数:103手
中継:ABEMA
■第4局(10月7日)
会場:元湯陣屋(神奈川県秦野市)
先手・藤井聡太王座 〇-● 後手・伊藤匠叡王
手数:99手
中継:ABEMA
■第5局(10月28日)
会場:常磐ホテル(山梨県甲府市)
先手・伊藤叡王 〇-● 後手・藤井王座
手数:97手
中継:ABEMA
藤井聡太王座と伊藤匠叡王の対局成績は?
両者の公式戦での対局成績は、2025年10月28日時点で21局行われ、藤井聡太王座の14勝6敗1持将棋です。
| 対局日 | 棋戦名 | 勝敗 | |
| 1 | 2022年8月1日 | 第72回NHK杯本戦2回戦 | 〇 |
| 2 | 2022年11月29日 | 第48期棋王戦コナミグループ杯敗者復活戦1回戦 | 〇 |
| 3 | 2023年10月6・7日 | 第36期竜王戦七番勝負第1局 | 〇 |
| 4 | 2023年10月17・18日 | 第36期竜王戦七番勝負第2局 | 〇 |
| 5 | 2023年10月25・26日 | 第36期竜王戦七番勝負第3局 | 〇 |
| 6 | 2023年11月10・11日 | 第36期竜王戦七番勝負第4局 | 〇 |
| 7 | 2024年1月5日 | 第72回NHK杯本戦準々決勝 | 〇 |
| 8 | 2024年2月4日 | 第49期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第1局 | 持 |
| 9 | 2024年2月24日 | 第49期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第2局 | 〇 |
| 10 | 2024年3月3日 | 第49期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第3局 | 〇 |
| 11 | 2024年3月17日 | 第49期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第4局 | 〇 |
| 12 | 2024年4月7日 | 第9期叡王戦五番勝負第1局 | 〇 |
| 13 | 2024年4月20日 | 第9期叡王戦五番勝負第2局 | ● |
| 14 | 2024年5月2日 | 第9期叡王戦五番勝負第3局 | ● |
| 15 | 2024年5月31日 | 第9期叡王戦五番勝負第4局 | 〇 |
| 16 | 2024年6月20日 | 第9期叡王戦五番勝負第5局 | ● |
| 17 | 2025年9月7日 | 第73期王座戦五番勝負第1局 | 〇 |
| 18 | 2025年9月18日 | 第73期王座戦五番勝負第2局 | ● |
| 19 | 2025年9月30日 | 第73期王座戦五番勝負第3局 | ● |
| 20 | 2025年10月7日 | 第73期王座戦五番勝負第4局 | 〇 |
| 19 | 2025年10月28日 | 第73期王座戦五番勝負第5局 | ● |
初手合いは2022年8月に行われた第72回NHK杯戦本戦2回戦で、藤井聡太王座が勝利しました。以降、両者にとって初のタイトル戦での対戦となった2023年の第36期竜王戦七番勝負でも藤井聡太王座が連勝を飾っていたものの、2度目のタイトル戦となった2024年の第49期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第1局では、伊藤匠七段(当時)が巧みな勝負術を繰り出し持将棋が成立。この一局は、同年度の第51回将棋大賞において「棋王戦第1局などにおける持将棋定跡」が評価され升田幸三賞を獲得することとなりました。
ターニングポイントとなったのは、両者にとって3度目のタイトル戦となった2024年の第9期叡王戦五番勝負です。ここではフルセットの大激闘を繰り広げ、伊藤匠七段(当時)が3勝2敗で八冠保持者だった藤井聡太王座から「叡王」のタイトルを奪取。藤井聡太王座の牙城を崩したことでも大きな話題となりました。
約1年ぶりに実現した同学年のライバル対決では、両者がどのような作戦をぶつけ合うのか、期待が高まります。
以上、王座戦五番勝負の日程と対局者、対局成績と結果などをまとめました。
※2025年10月28日に行われた第5局の結果、シリーズ通算3勝2敗で伊藤匠叡王がタイトル奪取に成功しました。
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