北海道や東北地方でクマによる人的被害が相次ぐ中、一定の条件を満たせば自治体の判断で市街地でも銃を使える制度の運用が9月1日に始まった。ニュース番組『ABEMAヒルズ』では“クマ問題”の背景について考えた。
EVeMのエバンジェリスト・滝川麻衣子氏は「気候変動やオーバーツーリズム、ハンターの高齢化など、いろいろな社会問題が複合的に反映されている」との考えを示す。
「少子高齢化が進むと都市部への人口の集中が起こる。どんどん地域から若者が都市部に流入し地域の過疎化が進んで、かつては人が活発に活動していたエリアが、耕作地や農地もそのまま放置され、人が植えた食べ物になる果実の木などがあると、明らかにクマの範囲が広がり活動が活発化している」(滝川麻衣子氏)
クマの捕獲者としても活動・研究をしている、酪農学園大学の博士 伊吾田宏正氏は“クマ問題”の対策について「一般の住民はもちろん、登山客・観光客・外国人旅行客への普及啓発も重要」と主張する。
「生ゴミを放置せずしっかり管理を。クマの生息地に入り込む登山者もクマに会わないための行動や、遭遇した時の対応について正しい行動を知っておくことが重要。外国人に対しては言葉の問題があるため、普及啓発していく上で大きな課題があり、特にリスクが潜在していると思われる」(伊吾田宏正氏)
観光客に対する“クマ問題”の対策については滝川氏は…。
「海外のオーバーツーリズム対策の事例としては、入山の時に高額な入山料を取り訪れる人口の量を抑えること。またゴミ問題に『注意してください』だとインセンティブとしては弱いが、高額な罰金を科している都市もある。日本が観光産業をやっていく中で、安全対策の観点とビジネスの観点でやり得ることは結構あるのではないか」(滝川麻衣子氏)
高齢化が“クマ問題”の背景に?
