世界の構図は動きつつある?

前嶋和弘氏
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 これまで、アメリカが民主主義を牽引してきたところもあるが、今回、北朝鮮、ロシア、それから中国、共産主義、社会主義ということで、この3国の存在感が非常に増している。世界の構図は動きつつあると見ていいのだろうか。

「この図は1年前だと想像つかない。さらに、ここにトランプ氏がいたとするならば、これを認めていいのだろうかと。国連の常任理事国であるロシアが法を破って他の国を侵略した。世界はロシアを制裁していた段階。それが制裁ではなくて、中国としっかり手を組みながら、しかもロシアは北朝鮮まで連れてきたという話になって、そしてそこに対して何も問題ないとアメリカの大統領が言っているというのは、国際秩序が大きく変わったようにも見える」

 中国はいろいろな局面でうまく立ち回っているのか。

「この間まで、法を破って現状変更をしている国が中国だったはずなのに、カメレオン的に、むしろアメリカが他の国の途上国への支援をしなくなるなら、中国がするみたいになってきた。あるいは、もし自由貿易を守るのは中国だみたいなことを急に言い出したりもする。去年から見たら「スーパーマン」の漫画に出てくるビザロワールドを見ているような気がする」

 アメリカが今までもたらしてきた価値観と、トランプ大統領が現状もたらしている価値観にずれがあるからこういう見え方になっているのか。

「アメリカの中の分断と均衡が過去ないレベルなので、それが生み出したトランプ政権とも見えるが、世界を見ると、やはり世の中が民主主義じゃなくて権威主義の方にだいぶ動いている。世界各国の各種データを見ると、民主主義的な要素を残している国家がだいぶ減ってきた。3人は2025年を象徴する絵の1つ」

(『ABEMAヒルズ』より)

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