中国で抗日戦争勝利80周年を記念する大規模な軍事パレードが行われ、習近平国家主席やロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩総書記が出席した。
天安門の壇上には、習主席の両脇にプーチン大統領と金総書記が並び談笑するなど、3者の連携を強くアピールする場面もあった。
3者が揃った今回の軍事パレードはインパクトのある映像となっているが、ニュース番組『ABEMAヒルズ』のコメンテーター、上智大学総合グローバル学部教授で現代アメリカ政治外交が専門の前嶋和弘氏は「世界が権威主義の方に動きつつあるイメージすらある」と話す。
「北朝鮮は、ロシア側を援助しながらウクライナ戦争でロシア人の代わりに北朝鮮の兵が戦っていたりする。その代わりに、北朝鮮としては国連の常任理事国であるロシアから支援を受けるというか、お墨付きを受けている。あと、ロシアとアメリカはトランプ政権になって仲良くなっている。そう考えていくと、この3者、権威主義的な3国だが、そこにアメリカも加わっていくというのが影に見える。世界が権威主義の方に動きつつあるようなイメージすらある」(前嶋氏、以下同)
アメリカのトランプ大統領は、中国の軍事パレードにプーチン大統領や金正恩総書記が出席することについて、「懸念は全くない」と述べたという。また、自身と習主席との関係は「非常に良好だ」とした上で、アメリカが中国を必要とする以上に、中国はアメリカを必要としていると強調した。このトランプ大統領の言葉を前嶋氏はどのように見るのか。
「通常ならば、現状変更してくる。権威主義の国はけしからんと言ってほしいところだが、取引。中国とも取引をやっていて相互依存関係だから強いよと。ロシアの大統領あるいは金正恩、どちらのリーダーに関してもトランプ大統領は、『仲良しだ。習近平ともうまく話せる。私もそちらに行きたいな』という風にも見えないでもない。だから、非常に国際社会の絵がだいぶ変わってきた。民主主義を守る動きから権威主義の方にベクトルがかなり向いてきた」
世界の構図は動きつつある?
