■多様化するマインドコントロール
人間関係が希薄になっている孤独な老人も、国際ロマンス詐欺のターゲットにされるケースはよく見られる。自身も過去に被害経験があり、現在は国際ロマンス詐欺被害者救済のNPO「CHARMS」の代表を務める新川てるえ氏は「国際ロマンス詐欺は2000年代初頭からあるもので、コロナ禍から投資詐欺がすごく増えた。今は比率としては投資詐欺が9割を占めている」と現状を説明するが、それでも“元祖国際ロマンス詐欺”も、まだまだ被害はあるという。「SNSで出会っているので、そんなに簡単に信用しないと誰でも思うが、相手はすごく自己開示が上手で、自己開示をされると自分も開示するようになり、信頼関係が初期の段階で早く深まってしまう。また以前の国際ロマンス詐欺なら、ダーリンやハニーと言ったキラートークがあったが、最近では『運命の人』呼ばわりが多い。そう言われた人も悪い気はしない」。
巧みなマインドコントロールによって騙された人々は、1度失ったものを取り返そうという心理も働き、さらに深刻化することもある。「お金を貸すというのも少額から始まる。『これくらいで人助けになるなら、貸してもいいかな』と。ただ人は1回お金を失うと、損失回避性バイアスが働いて、そのお金が無駄になっては困るからと、また次の要求に応えていく。それが重なり最終的に大きな金額になっている」とも述べていた。
(『ABEMA Prime』より)

