■参院選ではわずか8議席「存亡の危機」
参院選では改選前の14議席から、8議席まで減らした。公明党の政務調査会長である岡本三成衆院議員は、「7月の参院選、もっと言えば2024年の衆院選から大きく議席を減らしている。このまま私たちが変わらなければ、党は将来なくなってしまうぐらいの現状だと再確認した。社会のビジョンも伝え方も、リフォームではなく建て直す気持ちで『存亡の危機』と表現した」と説明する。「私たちの原点は、福祉・教育・平和だ。そこに経済対策を加えて、将来的なビジョンをシンプルに伝える努力をしていきたい」。
党勢が落ちた一方で、政策は支持されているようだ。選挙ドットコムの参院選マッチングでは、党名を隠して、どの政策がいいかを質問した結果、公明党が17.7%で1位になった。しかし投票結果には結びついていない現状がある。
前衆院議員の伊佐進一氏は、「マッチングの対象は、10〜40代の無党派だ。そういう人々は、公明党から一番遠そうだが、名前を隠して政策で選ぶと第1党になる。発信の仕方が悪く、『自民党の陰でコソコソしている』と思われている。われわれが前面に出て、有権者に発信する必要がある」と語る。
政治ジャーナリストの武田一顯氏は、「公明党が溶け始めている」と表現する。「今まで自分と連立した政党は、みんな溶けた。新自由クラブもなくなった。自社さ政権の社会党も、社民党になったが、ほとんど溶けた。保守新党もなくなった。もともと『自由党』と『民主党』を溶鉱炉で溶かしてつくった政党だ」
そして、公明党については、「宗教団体を支持母体に持つ、非常に特異な政党だ。連立で25年間頑張ってきたが、2024年の衆院選で代表が落選して、今回の参院選でも『存亡の危機』まで敗北した。いよいよ溶け始めたのではないか」と分析する。
■政策だけで見れば「政党支持率1位」という結果も
