■政策だけで見れば「政党支持率1位」という結果も

マッチング率1位
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 伊佐氏は「公明党にはタブーがあると思われている。宗教の話も、もっと堂々と語っていい」と考えている。「政治は100対0の選択ではなく、だいたい55対45で悩む。そこで必要となるのが、政治家としての軸だ。それは哲学や理念、われわれは多分宗教だろう。軸がないと、『こっちの方が得する』といった選択肢に陥りがちだ。政治家として筋が通っていることが大事で、タブーを怖れずに発言しないといけない」。

 支持母体である創価学会との関係性については、「衆院大阪6区で、今まで4回当選して、5回目で落ちた。当選時は約10万票取っているが、そのうち公明党の比例投票者は3万台。残り7万票は、維新や自民を応援しているが、小選挙区では伊佐進一に投票する人だ。創価学会以外からも応援してもらっているし、公明党も創価学会のためだけでなく、日本国のために政治をしている。開かれた“大衆政党”だとアピールできていなかったのが問題だ」とした。

 岡本氏も「私たちは信仰の活動をしているわけではなく、『どのような社会を作りたいか』という哲学の根本に、信仰的な価値観を共有している。私も小選挙区で、創価学会員の支持者が25〜30%いるが、70%は関係ない人から支援してもらっている。後援会にも学会員はほとんどいない。『この哲学で、こんな社会を作りたい』という思いに共感してくれる人を増やしたい」と同調する。

 文筆家で情報キュレーターの佐々木俊尚氏は、「ボートマッチ率が高いのは納得する。政治関係の人と話すと、『公明党の人が一番話が合う』と言っている」と話す。「そこにはリベラルの変遷がある。立憲民主党や共産党、社民党といったリベラルのイメージが、どんどん『護憲・反自民』に変わった。立憲民主党が左寄りになる一方で、自民党の岩盤保守層や参政党が登場して、両極端に分かれているが、その中間層にある“新しいリベラル”と公明党はマッチしている」。

 そして、「みんな経済政策を求めている。しかし潜在的に親和性が高いのに、公明党が認識されていない。自民党と一体化して、『公明党はわれわれの政党ではない』となり、参院選では国民民主党に票が流れたのだろう」との見立てを示す。

 今後については、「自公連立にせよ、少数与党であることは変わらない。もう単独過半数とはならず、ヨーロッパ並みに連立政権が続くとも言われている。となると、与党入りせず、政策ごとに協定を結ぶ形に変わる可能性が高い」として、公明党にも「政策ごとに協定を結ぶ方が、可能性が開けるのではないか。国民民主党と同じ路線で、時には自民、時には立憲や国民と組んで、やりたい政策を遂行する方が、“新しいリベラル”の中間層に訴求できる」とアドバイスする。

■今後の自民党との連立、他党との連携は…
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