WRC(世界ラリー選手権)の第11戦が南米チリで日本時間15日までに開催。通算200回出場を果たしたトヨタのオジエが前戦パラグアイに続き今季5勝目をあげたが、最終ステージで見せた大逆転アタックには、放送席やファン、チームスタッフも驚愕させられることとなった。
今大会は前戦に続いて南米2連戦となるチリでの開催。路面コンディションが目まぐるしく変わるハイスピードステージに各ドライバーが苦しめられるなか、確かな経験と熟練の技を持つセバスチャン・オジエは、無理をせずセッティングを煮詰めていた。競技初日デイ1は3位、デイ2には SS10からSS12まで3連続でベストタイムをマークし、首位に立つ。そして迎えた最終日、SS13とSS15でもトップタイムを叩き出し、2位の同僚エルフィン・エバンスに対し、10.3秒差をつけて最終パワーステージに望む。
距離は短いがタイトなコーナーやジャンプスポットなどがあり難易度が高いこのステージをオジエは淡々と走り始めた。暫定トップだったヒョンデのティエリー・ヌービルのタイムに対し、途中経過タイムは0.9秒遅れ。このまま走り切ってステージ2位でもオジエの優勝である。
しかし、最終区間でラストスパートをかけたオジエは、最後に見事なジャンプを決めて大逆転。0.4秒差でステージウィンを飾った。実況の田畑祐一氏も、「なんとトップに立ちました!」と絶叫し、解説の松本優一氏は「優勝とスーパーサンデーとパワーステージとフルポイント!」と絶賛。この圧巻の走りをチーム本部で見ていたトヨタのスタッフたちも拍手喝采となった。
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