■注目の「不動産クラウドファンディング」手軽さの裏にリスクも

不動産クラファンでの失敗
拡大する

 不動産クラウドファンディング専門メディア「クラファンチャンネル」の編集長、太田裕也氏は、不動産クラファンについて「不動産を1棟買いするには、数千万円から1億円単位のお金が必要となるが、それを小口化して、インターネット上で出資者を集めて購入するビジネスモデルだ」と説明する。

 特徴として「銀行融資が付かないような“掘り出し物”の物件もあり、それで一部業者は高利回りを実現している」としつつ、「融資を受けられないからクラファンで集めるケースもあれば、企業の宣伝や、不動産投資に興味を持ってもらうために行っているケースもある。利回りもリスクも千差万別だ」と語る。

 メリットには「小口投資できること」と、「素人では難しい運営を“不動産のプロ”に任せられること」を挙げる。しかしながら、「業者によって運営体制は異なり、怪しい企業もある。業界団体も含めて、健全化に動いている」といった注意点もある。

 実は太田氏は、不動産クラファンで失敗した“被害者第1号”でもある。「不動産クラファンは、2018年から始まり、2025年に入るまで、100以上あるサービスのどこでも元本割れがなかった。ただ今年になって、ダイムラー・コーポレーションの破産が起き、投資資金が返らない事態が起きた。過去の実績も含めて、現在の状況や運営体制を逐一チェックする必要がある」。

 小林氏は「日本の融資システムは、世界的に見てもゆるい。その中で、新しい金融手法として出てきたのが、不動産クラファンだ。暗号資産と同様に、新たな資金の調達源としては面白い」と評価しつつも、自分自身が投資することには消極的だ。「審査により透明性があるJ-REITとは全く違う。現時点では“ハイリスク・ローリターン”の可能性が否めない」。

■総資産37億円の成功者が守る不動産投資の鉄則
この記事の写真をみる(4枚)