とはいえ、万博に対するネガティブなニュースも増え、不安にさいなまれ眠れない夜が続いたという。そして万博が開幕すると、早速風が吹いた。それはトランプ大統領の存在だった。日米関税交渉を担当した赤沢大臣が手土産として渡したのが、稲本社長が手掛けた「金色のミャクミャクソフビちょきんばこ」だったのだ。稲本社長は「大きかったですね。正直。半年かけて何とか売り切れたらいいかなと思っていたぐらい。値段も8,800円ですし。ニュースになってから1週間以内に外国人がまあ買うようになった」と振り返る。

 その後も稲本社長が手掛けたミャクミャクグッズは飛ぶように売れ、年商24億円の会社が今年はおよそ3倍になる見込みだという。なぜここまでミャクミャクを信じることができたのか。稲本社長はヒットの秘訣を語った。

「万博会場内でミャクミャクをみんな好きになって、みんなが身に付けたくなるという読みをしていた。“ミャクミャクなりきり”が絶対に当たると思っていた。いろいろなヒット商品をやってきたが、ヒットの秘訣は『乾き』だと思っていて、乾くときってヒットする。ミャクミャクという潤いを求めてひたすらあの乾いた会場内をずっと2時間、3時間待ってでも。どんどん広がって、会場に来ていない人にまでその渇きが移っていったと思う」(稲本社長)

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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