■生前の意思表示が必要に?弁護士見解は

 福井健策弁護士によると、現状は「故人AIを規制する法律は日本にはない。肖像権も死亡により消滅する」といい、本人が復活を拒否していた場合でも、現行法では法的効力はなく、遺族が望めば生成することも可能だ。ただし、例外として、「復活に使うデータに著作権・著作隣接権があれば著作権侵害」「著名人の故人AIを商用利用した場合パブリシティー権の侵害」となる。

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 川村氏は、「死後デジタル労働(Digital Employment After Death=D.E.A.D.)」と名付け、生前にAIによる復活を望むかどうかを意思表示するプラットフォームを提供し、カードとして所有することもできるようにしている。

 臓器提供の意思表示カードのように「当人が生きているうちに、どこまで許可するかを定めるのが大事だ。『死後に自分のアバターが働くと、遺族にお金が入るシステムができればやるか』『勝手に作られるのは嫌だが、自分が関わったアバターやAIであれば良い』など、OKな範囲を決める」ことの重要性を説く。

 現状では、この点に関する法整備は行われていない。「臓器提供カードも、日本初の臓器移植手術から約40年経って、やっと登場した。早めに考え始めないと、制定までに相当な時間がかかる。まだ法的拘束力はないが、AIの進化は早い。AI自体もグレーゾーンである中で、10秒程度の情報ですぐ作れてしまうサービスができると、手遅れになる」と警鐘を鳴らした。(『ABEMA Prime』より)

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