体内にマイクロプラスチックが入る経路は?
大河内教授は、富士山頂の大気に含まれるマイクロプラスチックが日本の地表近くにも運ばれている可能性を調査している。
「マイクロプラスチックはそのまま地球全体ぐるぐる回る経路もあるが、例えばどこかで高気圧が発達すると下降気流があるので地上に落ちていくことはある」
富士山頂のほか、5合目や北海道や東京など日本全国に観測装置を設置し、マイクロプラスチックなど大気中の物質を採取している。大気中のマイクロプラスチックは、より粒子が小さく目に見えないため、体に蓄積しやすい傾向があるという。
人が体内にマイクロプラスチックを取り入れる経路はいくつあるのだろうか?
「大きくわけて3つある。『食べる』『飲む』『吸う』だ。『吸う』が体内に摂取する量としては最も多いと言われている。『食べる』『飲む』で体内に摂取したものは基本的に便や尿で排出するメカニズムがあるが、空気で吸い込んでしまった場合、排出するメカニズムがない」
大河内教授によると、マウスを使った実験では、大気中で紫外線を浴び劣化したマイクロプラスチックは、肺に入り込むと呼吸器系の炎症などを引き起こす可能性もあるという。
「そのまま人間に影響があるとははっきりとは言えないが、人間に影響が起こり得るだろうということは十分に言える」
身近なところにあるマイクロプラスチックは?
そもそも、マイクロプラスチックとは我々の身近にもあるものなのか?
マイクロプラスチック問題を取材したテレビ朝日報道局 須藤なぎさ記者は「例えばペットボトルやレジ袋、捨てられたゴミなどが海や川に流れ、波にもまれて傷ついたところにさらに紫外線が当たると、劣化して細かくなって大気に浮遊していく。5ミリ以下になるとマイクロプラスチックというくくりになるのが、様々なところからマイクロプラスチックは発生している」と説明した。
マイクロプラスチックを減らすために我々ができること

