マイクロプラスチックを減らすために我々ができること
富士山頂の大気からマイクロプラスチックが発見されたことについては「実は、大気の中の『雲』からもマイクロプラスチックが採取されており、これは世界初のこととして注目されている。そもそも雲は『核』となるものがないと発生しないが、大気中のマイクロプラスチックが紫外線によって劣化して水分を集めて雲を作り出す核になっているのではと考えられている」と述べた。
さらにその「影響」について以下のように話した。
「今回の取材でわかったこととして大きく2つ紹介する。1つ目は『豪雨災害につながる可能性』だ。通常、綺麗な空気の中では『雲を作る核』が多くないため1つの核にたくさんの水分が集まり、雨粒が早く発生するので雨が降りやすく大雨にはならない。だが、汚れた空気の中にはマイクロプラスチックを含めたくさん雲の核となる粒子があるため、夏に発生する積乱雲のように大規模な雲が発生して上空に上がっていき、短時間に大量の雨をもたらすゲリラ豪雨になりやすい。2つ目は『地球温暖化につながる可能性』だ。たしかに『雲ができやすくなることで太陽光を散乱し、地球を冷やす』という説もある。だが一方で、大河内教授は『マイクロプラスチックは紫外線を浴びやすい環境にあるが、紫外線を浴びると劣化してメタンや二酸化炭素という温室効果ガスを排出する。その結果、地球温暖化につながるのでは』と指摘していた」
マイクロプラスチックを減らすために我々ができることについて須藤記者は大河内教授に聞いた話として以下のように述べた。
「私たちが身近な生活でできることとして4つまとめた。1つ目は『エコバッグやマイボトルを使う』、2つ目は『ゴミをしっかり分別する』。どちらもイメージしやすく、取り組んでいる方も多いだろう。3つ目は『屋外のプラスチック容器は回収する』だ。プラスチック製の植木鉢などをベランダや屋外に出しっぱなしにしておくと紫外線を浴びて劣化し、マイクロプラスチックが大気に浮遊する一因になる。なるべくプラスチック製品ではなく別の製品に置き換えることが大切だ。4つ目は『フリースを洗濯するときはネットに入れる』だ。フリースなど合成繊維を使っている洋服を洗濯する時には、摩擦によってかなり繊維が落ちるので、1回の洗濯機の洗濯で70万個のマイクロファイバーが発生するという研究のデータもある。少しでも減らすためには、ネットに入れて摩擦を減らすことだ」
最後に、我々が持つべき心がけについて、須藤記者が大河内教授の言葉を伝えた。
「医療に使うものなど、どうしてもプラスチック製品から置き換えられないものもたくさんある。全てをなくすことを目指すのではなく、いかに楽しく、できるだけ削減していくかということを考える。一人ひとりが考えて行動することが、大気中にマイクロプラスチックの増加を防ぐ1つの手段なのではないか」
(ニュース企画/ABEMA)

