■「100点の言葉を出すことが言語化ではない」

木暮太一氏
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 小泉進次郎氏のカンペ使用をめぐり、一般社団法人教育コミュニケーション協会代表で言語化コンサルタントの木暮太一氏は「何を伝えたいかが見えていればいい」とする。「スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での演説が称賛されるが、あれも暗記しているのではなく、読んでいる。あれだけ長いものを丸暗記できないし、する必要もないが、みんなが感動するのは『言いたいことをそのまま言葉にしているから』ではないか。小泉氏は『本当にそれを言いたいのか』が問われてしまった」。

 続けて、「話す側が100%明確にする必要はない」「聞いている側が、相手の気持ちや考え方を整理することも大事」とした上で、「言語化とは、互いに歩み寄ろうとすることであり、100点の言葉を出すことではない。人によって定義は違うが、そこを共通理解として持っておくと、優しい社会になるだろう」と訴えた。

 タレントの山崎怜奈が、言語化が問われる現代社会を考察する。「今の政治家は、昔よりも過敏に反応している。少しでも誤った言い回しや、発言の齟齬(そご)があると、誹謗中傷やネタになってしまう。『事前に整えた言葉で返そう』となる気持ちも理解できる」。

■言語化ブームにうんざり…
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