アニメ「キングダム」は古代中国を舞台に、天下の大将軍を目指す少年・信(しん)と、後の始皇帝となる嬴政(えいせい)の活躍を描く歴史大河ロマン作品です。
2012年よりアニメ放送が開始され、2024年3月に5期最終話が放送されました。また、2025年10月4日より6期の放送がスタートしました。原作は原泰久(はら やすひさ)氏が2006年1月より「週刊ヤングジャンプ」(集英社)にて連載を開始した同名漫画です。2025年10月現在も連載中で、コミックスは最新刊となる第77巻が2025年10月17日に発売予定です。累計発行部数は1億1000万部(電子版含む)を突破しています。
この記事では主人公・信の良きライバルである王賁(おうほん)がどのような人物か、強さや演じた声優などについて解説します。
目次
- アニメ「キングダム」とは
- アニメ「キングダム」王賁の基本情報・声優情報
- 王賁の初登場は?姿を見せたのは2期第4話
- アニメ「キングダム」王賁の強さは?
- アニメ「キングダム」王賁の戦歴
- アニメ「キングダム」王賁と信、蒙恬との関係は?
- 王賁は史実に登場する?どのように死亡した?
- 王賁の父親はどのような人物?親子関係は?
- アニメ「キングダム」王賁のまとめ
アニメ「キングダム」とは
舞台は古代中国・春秋戦国時代。主人公・信は西方の国・秦(しん)で下僕として働く少年です。同じく戦災孤児である漂(ひょう)とともに、天下の大将軍になることを夢見て剣の修行を積む日々を送っていました。
あるとき、漂は秦国の王太子・嬴政の影武者として王宮に召し上げられますが、道半ばで命を落とすことになりました。信は漂と描いた夢を胸に、秦国の若き王・嬴政とともに数多の戦いを経て中華統一を目指します。
アニメ「キングダム」王賁の基本情報・声優情報
王賁は秦軍に所属する「玉鳳隊(ぎょくほうたい)」の隊長で、アニメ5期時点では五千人将です。
名門・王一族の宗家嫡男であり、王一族宗家の現当主である王翦(おうせん)を父に持ちます。王翦の背を追いつつも、親子関係は複雑でうまくいっていないようです。玉鳳隊の副長である番陽(ばんよう)をはじめとした部下は王賁を「賁様」と呼び、忠実に付き従っています。
基本情報【プロフィール】
王賁は、長い髪を高く結い上げ、鋭い目つきと凛々しい眉が印象的な青年です。左耳にピアスのような耳飾りを着けています。普段はあまり表情を変えず、ポーカーフェイスです。豪奢な鎧に身を包み、背には4本の剣を携えています。身長は明記されていませんが、並ぶと蒙恬(もうてん)とほぼ同じくらい、信より少し大きく描かれています。
年齢は、原作17巻第183話にて王騎の死から1年半時点で18歳という記載があります。蒙恬と同い年、信より一つ歳上です。時系列から推測すると、アニメ5期終了時点で23歳前後と考えられます。
性格は真面目で努力家。冷静沈着ですが、負けず嫌いな一面もあり、内には強い闘志を秘めています。普段はクールな態度を崩しませんが、戦いのなかでは熱い感情をさらけ出すこともあります。
基本情報【声優】
王賁を演じるのは、声優の細谷佳正(ほそや よしまさ)さんです。代表作に「テニスの王子様」白石蔵ノ介役、「進撃の巨人」ライナー・ブラウン役、「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」オルガ・イツカ役などがあります。
アニメ、吹き替え、ナレーションなど、声優として幅広い分野で活動し、2023年には、舞台「ハーヴェイ」でエルウッド役を務め、初主演を果たしました。また、自身の出身県である広島で、広島高速交通アストラムラインのマナー大使を務めています。
アニメ6期で再び王賁を演じるにあたり、公式コメントは発表されていませんが、自身の公式X(旧Twitter)でキングダム公式アカウントの投稿を引用し、「もうすぐ」「お楽しみに」とコメントしています。
王賁の初登場は?姿を見せたのは2期第4話
王賁がアニメで初めて姿を見せたのは2期第4話です。戦場で飛信隊(ひしんたい)と出会い、その豪華な装備や騎馬で力の差を見せつけ、圧倒しました。
玉鳳隊は貴士族出身のなかでも、幼少期から軍事教育を受けた英才集団であると自負しています。そのせいか、農民で構成された飛信隊に対し、当初は見下した態度をとっていました。
王賁は「一般歩兵の存在価値は蟻であること」と言い放ち、上の命令に対し働き蟻に徹するのが責務だと語ります。憤慨する下僕出身の信に対しても、身分をわきまえるよう苦言を呈し、槍技を繰り出しました。王賁の態度に奮起した飛信隊は、泥臭い戦法で玉鳳隊を出し抜き、手柄をあげます。
アニメ「キングダム」王賁の強さは?
生まれ持った才能と、たゆまぬ努力と鍛錬により、王賁の槍使いは達人の域にまで到達。独特の軌道で相手に襲いかかる槍術「龍指(りゅうし)」を用いて敵を翻弄します。
「名門の出も才能の一つだ」と豪語し、勝つためには持てるものを躊躇なく使います。2期第13話 の高狼城(こうろうじょう)の攻城戦では、自前で用意した高価な井闌車(せいらんしゃ)を持ち出すなど、エリートならではの柔軟な戦い方を見せて、信を驚かせました。
名門の生まれであることに誇りを持ち、王一族の後継ぎとして名を馳せることを責務と考えています。その志のため、戦場においては無謀とも思える戦いに挑むことも。
4期第11話で描かれる著雍(ちょよう)の戦いにおいては、三軍で三点同時攻撃をするという作戦を示し、大軍を動かしました。その戦いのなかで王賁は、一度は敗北を喫した魏軍の大将軍である槍の名手“槍の紫伯(しはく)”に再び挑みます。
玉鳳隊の部下たちは王賁の無茶な戦いぶりを止めようとしますが、王賁は「大いなる勝利を手にし続けねば中華に名を刻む大将軍には決して届かぬ」と、その志を明らかにしました。そして、深手を負いながらもついに紫伯を撃破します。
アニメ「キングダム」王賁の戦歴
ここでは、天下の大将軍を目指し邁進する王賁の戦歴を紹介します。
初登場時
信と出会ったとき、王賁は「三百人将」でした。玉鳳隊は、飛信隊や楽華隊(がくかたい)と競い合うように武功を上げていきます。
山陽攻略戦(対・魏)
戦場で王賁は「臨時千人将」となります。蒙恬の提案で、玉鳳隊と飛信隊・楽華隊との三隊共同作戦を行い、輪虎(りんこ)を攻撃。戦いの後、正式な「千人将」に昇格しました。
函谷関の戦い(対・五国合従軍)
五国合従軍から函谷関を守る防衛戦に「二千人将」として参戦。蒙恬とともに騰(とう)軍に所属しました。劣勢の本陣を固めるため、戦場で騰により「臨時五千人将」に任命されます。そして、戦後「三千人将」に昇格しています。
著雍攻略戦(対・魏)
このとき王賁は「四千人将」になっています。魏の“魏火龍七師”のひとり紫伯を討ち、戦い後の論功行賞で「五千人将」に昇格しました。
アニメ「キングダム」王賁と信、蒙恬との関係は?
飛信隊隊長の信、楽華隊隊長の蒙恬とは同世代のライバルです。
王賁はエリート意識が強く、百姓出身の飛信隊と信を見下していましたが、戦いを通じて徐々にその実力を認め一目置くようになります。信も王賁を鼻持ちならないと感じながらも、肩を並べて戦うなかで王賁を理解し、信頼を寄せるようになっていきます。
王賁は同じ士族の蒙恬ともそれなりの距離を取っていて、慣れ合わないようにしていました。蒙恬も当初、王賁に対し「苦手」であると発言していましたが、同じ士族である王賁の事情を理解しているようで、王賁と父親の関係を気にかけています。
山陽攻略戦では三人で作戦を練り共闘するなど、戦いを通して絆を深めました。
王賁は史実に登場する?どのように死亡した?
王賁は、実際の史実にも存在する人物で、中国戦国時代末期の秦の将軍として「史記」に登場します。秦王政(後の始皇帝)に仕え、李信とともに秦の天下統一に貢献したと記されていますが、死亡した年や、どのように死亡したかなどは記録されていません。
「キングダム」では、基本的に史実に基づいてストーリーが進んでいます。しかし、その詳細は原作者の原氏による創作です。王賁についても、史実に残る記録では詳細な人物像や父親との関係性など、細かい部分はうかがえません。今後、「キングダム」にて王賁の出世がどう描かれるのか、すでに存在する史実に向かってどのように着地していくのかなども、作品の見どころの1つとなるでしょう。
王賁の父親はどのような人物?親子関係は?
王賁の父親である王翦はつねに仮面を着けており、感情があまり読めない謎めいた人物です。
普段、王翦が王賁に父親らしい声をかけることはありませんが、4期第11話で番陽の口から数少ないエピソードが語られます。それは幼い頃、槍の鍛錬にはげむ王賁に王翦が基本の型を教えたというもの。ただの気まぐれとされていますが、この言葉をきっかけに王賁はさらに鍛錬に励み、槍の名手となったのです。
また、4期第6話の著雍の戦いにおける戦略会議で、王賁は王翦軍への援軍を要請しないよう強く進言しますが、そこに私情が挟まれていることを認めました。このことから、王賁には父を意識し、認められたいという気持ちがあると思われます。今後、王翦の思いが明かされる日が来るのか、親子関係に変化があるのか注目したいところです。
アニメ「キングダム」王賁のまとめ
王賁は王一族の宗家嫡男であり秦軍に所属する「玉鳳隊」隊長です。信や蒙恬とは同世代のライバルとしてお互いに競い、高め合っています。王一族宗家の現当主である父の背を追いつつも、親子関係は複雑です。
信や蒙恬と同じく、天下の大将軍を目指す王賁が、今後どのように武功を上げ出世していくのか、注目しながら視聴してみてはいかがでしょうか。
(C)原泰久/集英社・キングダム製作委員会
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