俳優やアーティストとして活躍するディーン・フジオカ氏が、絵本の翻訳に初めて挑戦した。「みんな違って みんな一緒」…ディーン氏が絵本に込めた思いを聞いた。
【映像】作者と英語で思いを交わすディーン氏(翻訳した絵本も)
3カ国語(日・英・中)が堪能で、国際的に活躍するディーン氏。初翻訳したのは『ありさんシェフの しょうたいじょう』という絵本だ。イタリアが原作で、世界各国で愛されている。
物語は、シェフである「ありさん」が世界で一番大きな晩餐会を計画するところから始まる。招待客は動物に加えて、トリ、サメまで…席決めは、難解なパズルをはめていくような作業で、まるで「分断」が進む人間世界のようだ。
「ある意味、世界情勢の縮図のような示唆もあるわけじゃないですか。誰をどういうふうに招待するかを考えたときに『ありさんシェフの しょうたいじょう』というタイトルまで全く違うものに変えてしまったわけですが、それくらい大改造というか再解釈というか、新しいものを作るくらいの気持ちで向き合って作らせてもらいました」(ディーン・フジオカ氏、以下同)
原作のタイトルは直訳すると、「これまでで一番大きな晩餐会」だがディーン氏は、これを『ありさんシェフの しょうたいじょう』にガラリと変えた。諦めないでみんなを招待する方法を考える「ありさん」に光を当てている。
「全然バックグラウンドが違うけど集まるという、それを集めるものというのは一緒に食べることを分かち合うこと。シンプルで基本なことで、こういう形でまた違う光の照らし方をすることを、飽きずに諦めずにやり続けるしかないんだなと」
ディーン氏は原作者が絵本に込めた思いも共有したいと思い、イタリアに取材に行った。
「(ディーン氏あとがきについて)ただ多様性を受け入れたいんです。というのも、あらゆる人生を歩んできた人たちがいてサイズも違えば食べ物の好みも違うからです。言語も文化もさまざまです。だからこうしてみんなで集まって、同じテーブルを囲み、共に過ごし、食事を楽しみ、会話を楽しむことは素敵なことなんです」
3児の父・ディーン氏にとって絵本とは?
