■これはパクリ?二次創作をどう考える

漫画は写真を参考に?
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 フリーアナウンサーの柴田阿弥は、「社会全体として、著作物への注意が薄かったと、反省しないといけない。二次創作も素晴らしい文化で、グレーな部分も許容されてきたが、基本的には作者に著作権があると認識しないといけない」と指摘する。

 そして、「身近でも出版物のデータを勝手に使い、問題視されるケースはある。大学院に通う社会人レベルが、コピペで先生に怒られることも普通だ。『バレないだろう』と魔が差しやすい分野のため、自分を律しないと大変なことになる」と話した。

 これに友利氏は「やはり忠実にコピーするなどに関しては、感度を高く言わないと、いつの間にか油断が生じる」とコメントする。

 ペガサスハイド氏は「二次創作はグレーなのに、なぜ放置されるのか」について答える。「二次創作された漫画作品は、漫画家や出版社に利益があるから放置されてきた。ゲームのパロディー同人誌が『面白そう』『買ってみよう』と宣伝効果を生む。持ちつ持たれつの関係から、今まで厳しく言われてこなかった」。

 そこで、作者が二次創作を認めればいいのかと問われると、「どこまでがOKで、どこまでがNGかは難しい問題だ。作者がいいと言えば、何をやってもいいのか。秩序が乱れてしまう。人によっても感じ方は違う」との考えを示した。

 友利氏は「そこを測るのもセンスだ。『この権利者は、ここまでなら無許可でも受け入れるだろう』『事前にあいさつへ行った方がいいだろう』といった勘所をいかにつかむか」といったポイントを示す。

 文芸評論家の三宅香帆氏は、「著作権は引用元を示すのが一番大事だ。有名人が許容されているのは、誰もが『トランプ大統領の風刺画だ』などとわかるから。『金井氏をモデルにした』と明示されれば、別の話になる。本の引用もそうだが、イラストの世界でも『誰の著作物か』を示すことが大事だと認知されるといい」と感じている。

 パックンは、「アウトだ。金井氏がかわいそう」としつつ、「窮屈にもなってほしくない」という。「個人がアップした絵からインスピレーションを受けても、それがアートになれば、人間の文化を進化させるかもしれない。アウトだが取り締まりにくく、たたきすぎても、クリエイティビティーを殺す可能性がある」。
(『ABEMA Prime』より)
 

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