RISE QUEENミニフライ級王者・宮本にとっては戴冠後初の試合。対するユナは、キックとMMAを並行する韓国の新鋭で、わずか3戦の立ち技経験ながらWBKFアジア女子ミニフライ級王者にまで上り詰めた実力者だ。しかし、前日計量でまさかの1.2キロオーバーに加えて再計量も失敗。公式ルールに則り当日計量では契約体重の5%以内の戻し体重をクリア。そのため減点2に加え、ファイトマネー30%を没収、さらにグローブハンデも科せられた状態で試合に臨むこととなった。
第1ラウンドは、宮本がワンツーや右ローで主導権を握る。ユナも距離を詰め、突進力とクリンチでペースを乱す場面を作った。宮本のコンビネーションも冴えたが、決定打は生まれず。噛み合わないままラウンドを終えた。
第2ラウンドでは至近距離での打ち合いが増加。ユナが独特の間合いからフックを振るい、攻勢に転じる。頭を下げて放つフルスイング気味のパンチに、「ユナが押してきたな」「輪島みたいなパンチだ」「宮本、下がってる…」といった反応の声が続いた。宮本は前蹴りや左ボディ、ヒザで応戦。ABEMA解説の一馬は「ポイント差はないように見えます。宮本選手も当ててたけど、同じくらいユナ選手も当てている」と分析。王者優勢と見られた試合は、予想外の接戦となった。
最終第3ラウンドでは、両者がパンチを打ち合う展開に。宮本が右ローや右ハイと精度の高い攻撃を繰り出す一方、屈強なユナも反撃の手を緩めない。終了間際には宮本の右ハイを被弾しながらも、ユナがビクともしないタフさを見せて試合を締めくくった。
結果は、ユナが減点2からのスタートとなったこともあり、終始ペースを握った宮本が3-0(30-27、30-26、30-26)で完勝。倒しきれなかった点について、一馬は「王者として僕のなかでは(小林)愛理奈選手とやったときの方が強かった」とコメント。ファンからも「キャリアを考えたら体重差があっても圧倒しないと」と新王者に厳しい声が聞かれた。その一方、ユナに対しては「三つ編みで攻撃する姿が(グラップラー刃牙の)烈海王みたい」「ちゃんと調整できていたら結果は違ったかも」「ユナは階級を見直してまた呼んでほしい」との声も。そんなユナがリングを降りる際に笑顔を見せると「可愛い」「笑ったらなお可愛い」といった声も聞かれ、体重超過の選手にしては珍しく好意的な反響や今後への期待も目立った。
勝利マイクで宮本は悔しさをにじませながら「チャンピオンになって初めての試合で、いつもみたいに判定勝ちしかできない私でした」と率直な心境を吐露。「KOを私も見たいし、見せたい。こういう自分が情けなくて悲しいです。KOできるように、私ももっと成長していきます」と自らを鼓舞するように締めくくり、王者としての決意を滲ませた。
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