ラウンド中盤、踏み込んだ梅井が左ストレートを放つも、これが空を切る。そこに吉田の頭がカウンター気味に梅井の左側頭部付近に激突。“バコッ”という拳とは異なる鈍い音が響き、梅井がマットに崩れ落ちる。スロー映像では、吉田の頭が梅井のテンプルに直撃する衝撃的な場面が映し出された。
ABEMAの解説・一馬は「梅井選手はこういうのが多い。インを取りに行く、中に入りながら左ストレートを狙うと自ずとこうなる。交差して」と梅井のファイトスタイルゆえのアクシデントであると分析した。
不可抗力の出来事とはいえ、梅井のダメージは深刻。リングに倒れ込んだまま動けずドクターが駆け寄る状況にファンも「カウンターの頭突き」「こめかみか」「テンプルだ」と騒然。リプレイでは脳がグラグラと揺れるような様子が映り「これは救急車」「無理だろこれは」と心配の声が飛び交う。直後にゴングが鳴らされ、ドクターストップで試合終了となった。
2ラウンド途中までの負傷判定は、3者とも1ラウンドでダウンを奪った梅井を支持し、3-0(20-18、19-18、20-18)で勝利が確定。元師匠の那須川弘幸代表がドクターとともに心配そうに駆け寄り、吉田も思わぬアクシデントに深々と頭を下げる。虚ろな表情の梅井には「記憶ないかもな」「結構危ないと思う」と心配の声が相次いだ。
一馬は「脳震とうかもしれないですね。アレだけ強烈に頭ぶつけられたら、パンチよりも痛いもんですから頭突きというのは。我々が見た目には分からないダメージがあると思います」と改めてコメント。ようやく立ち上がり、コーナーの椅子に腰を掛けた梅井。その後、支えられるように立ち上がると、場内のファンに向かって何度も手を合わせて申し訳なさそうに謝罪。陣営に付き添われながらも、自立歩行で控室へ下がっていった。
RISEの伊藤隆代表は気になる梅井の状況について「脳震とうを起こしているということ」とコメント。「様子を見て年始か、その後か、万全な状況を作ってからやりたい」と続け、年内に予定されていた決勝戦を選手のコンディション優先で延期する可能性を示唆した。
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