■弥生さん「家族の誕生日は忘れたくない…」
弥生さんは、夫の光紀さんと子ども4人(3人独立・1人学生)の家族。コンサルタントやシェアサイクルの運営に携わってきたが、4年前、カウンセラーに勧められて診断を受け、「若年性アルツハイマー型認知症」と診断された。初期症状として、怒りやすくなり子どもに暴言を吐く、メンタルが安定せず寝こむ、物忘れが増えて仕事の大切な予定を忘れるなどがあったが、当時は更年期障害を疑い、認知症と気付かなかった。
覚えていることは、学生時代の出来事、子どもや子育ての記憶、印象深い場所や物事、自分で作った曲など。反対に覚えにくいことは、日付や予定、会った人の名前や会話、料理や家事の作業工程、テレビやネットの情報などだという。
症状が少しずつ進行する中でも、弥生さんは願っていることがあると涙ぐむ。「家族の誕生日などは忘れたくない。しかし自信がなくなってしまい、そのうち書き出さないとダメかもなと思う。病気になる前はそんな心配をすることもなかったが、自信を持てなくなってきているのが残念」。
■夫・光紀さんの問いかけ「何をしている時が楽しい?」
