■AIで作ったからこそわかる人間の価値
またAIで作品を作ったからこそ、人間の役者が演じることの重要性も感じた。「AIで70分作ってみて、人が演技をしてくれたらとずっと思っていた。目で訴えるとか、魂の叫びとか、寒気がするような恐怖は、AIには表現ができない。たとえば怖そうにしているシーンでも、その人の奥から本当に滲み出るような恐怖だったり、実は悲しみがあったり。人間の感情は1つじゃない。いろいろな要素が合わさっているから面白い。複雑な感情が目の力に出るようなところは、人の演技の需要が上がると思う」と、AIが進化する中でも、人の演技の価値が高まる可能性を感じ取った。
出来栄えには「95%」と及第点を出している。「最終的に言いたいことは言い切った。95%ぐらいはいけたと思う。重箱の隅をつつけば、主役が25歳設定なのに、振り向いたら50歳みたいとか、そういうミスはたくさん見つかると思う。ただし、私ともう一人のパートナー、全く映画業界とは関係ない2人だけで、長編映画でメッセージを伝えられたということは、満足感は95%以上」。
今後、AIに期待すること、見えていることは何か。「AIは、自身の中にあるエネルギーやメッセージ、伝えたいことを最大限にして、人の心を動かすことができる。あくまでツールでしかないけれど、それがプロでなくてもある一定のレベルは、誰でもできるようになった。普通に歩いている人が急にクリエイターになる可能性があるし、役者だった人が映画監督になる。ありとあらゆる才能が爆誕していくのではないか」。
(『ABEMA Prime』より)

