58kg契約の10回戦。カシメロは適正階級よりも重い体重でのリング復帰となり、フェザー級の中でもやや重めの設定で臨む一戦。一方の京之介は連敗していたルイス・ネリ、アラン・ピカソ戦に続き、強豪カシメロとの対戦ということもあり、世間の下馬評は圧倒的に“京之介不利”で臨んだ。
試合は序盤から京之介のアウトボクシングが冴える。13センチの身長差、さらにリーチの長さを最大限に生かし、カシメロの前進と“破壊力ある左フック”をジャブで押さえ込む展開となる。
カシメロは持ち味の連打とフックで距離を詰めたいが、ブランクの影響か足腰にキレがない。試合前、忖度なく「カシメロ有利」と予想していたABEMA解説・亀田大毅は、カシメロの動きを見て「ちょっと舐めていると思うんです(笑)。完全に調整試合の感覚で来ている」と苦言。実際、精彩を欠いたまま京之介のカウンターを浴びる場面が目立った。
中盤、重めの階級に身体が馴染んでいないのか、カシメロの疲れが見え始める。プレッシャーが弱まると、京之介はさらにフットワークを加速させつつ距離をキープ。クリンチを織り交ぜながら、淡々とポイントを積み上げる。6ラウンドには左の有効打。以降もカシメロの右の強打を足さばきで外し、ジャブ、左フック、ボディで着々と削る。ファンからは「カシメロ重いな」「スタミナ終わってしまったか」「やられ放題」と驚き混じりの声が相次いだ。
後半、カシメロはなんとか挽回を図るも、京之介のディフェンスが堅い。8ラウンド終了直後には、インターバル中にカシメロが声をあげ嘔吐するシーンも見られ、「動きが悪いな」「番狂わせ」「階級の壁か」「カシメロ吐く」などファンもざわめく。
実況席では大毅が「だいぶあれ…いま吐いてたんじゃないですか?ずっと『オエッ』と言ってたんで…」「体力なのか…(京之介の)ボディなのか…。でも増量はいつもよりはないと思うんですよ。58なんでね。したとしてもたかが知れてる。いつも通りではないと思うんですけど」とポツリ。「調整がそんなに上手くいってなかったのか?」と実況が述べるとすぐに「ナメてリングに上がるとかは関係ないんで。それは全部実力なんで。リングに上がった以上は」とスパッと言い放った。
その後も京之介はジャブを当て続け、カシメロは目尻をカット。最終ラウンド、カシメロが前に出るも、試合のコントロールは最後まで京之介が握ったままだった。
判定は3-0(97-93、98-94、98-94)。京之介がキャリア最大の大金星。事前に「5ラウンド・カシメロ勝利」と”身内びいき”なしで厳しく予想した大毅は、試合後にカシメロの調整不足について問われると、「まあリングに上がる以上は、どんな言い訳をしてもダメですよ。体重が合わなかったとか階級が違うとか、全部飲んでリングに上がってるんだから関係ないです。京之介選手の勝ちです」と”予想大外れ”もどこか饒舌なコメント。ファンも「正論」「まあそうだな」「それは正しい」「亀田陣営の作戦勝ちです」と頷いていた。
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