「ゴールドバーグが私について語った内容が今、メディアを賑わせている。しかし正直なところ、私はまったく気にしていない。彼の発言は彼自身の視点に基づくものであり、それはそれで構わない。だから、そこまで大騒ぎする必要はないと思う。

私の哲学を聞いてほしい。重要なのは私が成し遂げたことではなく、私が創り出そうとしているものだ。その哲学とビジョンにこそ真の価値がある。美しさのない物事に、私は何の意味も見出せない。私はあらゆる記録やタイトルを獲得してきたが、それらは単なる通過点に過ぎない。

本当に大切なのは、新たな時代を切り開くことだ。「アスカ以前」と「アスカ以後」を分ける瞬間を創り出すこと。時代を変える力を持つこと。そこにこそ真の価値と美しさが存在する。私は記録やタイトルを追い求めているわけではない。それらは自然と私のもとにやってくるものだ。この世界には芸術が足りていない。」

 この「達成より創造が大事。この世界にアートが足りない」という言葉は、挑発に対する意趣返しではない。記録にこだわる男の嫉妬を、優雅な哲学で切り捨てた姿勢がファンの共感を呼んだ。ファンからは「君はクールに振る舞った、レジェンドだ」「ただの“ある女の子”って何だよ? アスカは生ける伝説だ」など称賛の声が続出。そして「記録やタイトルを追いかけない。あいつらが向こうから来る」は、現在のヒールキャラの傲慢さを超えたパワーワードとして、ファンを釘付けにしている。

 アスカの914日無敗記録は、WWE史上に残る偉業の一つだ。2015年10月7日の第3ブランド・NXTでのデビューから2017年4月1日までの合計914日(約2年半)、公式戦267勝を記録し、シングルマッチ無敗を維持。男性レジェンドであるゴールドバーグの173連勝をはるかに上回り、WWE女子部門に革命をもたらした。

 この発言を受けてか、WWE公式はアスカの「参戦10周年」を記念し、過去の活躍をまとめたプロモーションビデオを公開。論争をきっかけに、彼女の“連勝記録”は再び脚光を浴びることとなった。

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