鯉登少尉と同じ第七師団の月島軍曹役の竹本も、演じたキャラの変化について語る。「月島ははじめ職業軍人として出てきて、そこまでキャラに色はなかったのですが、物語が動くにつれていろいろな人と関わるうちにどんどん色が出てきて、人間性も描かれていきます。1回見ただけではわからないところもあるかと思いますので、何度も観直していただけると(最終章の)これからの展開の解像度も上がるのではないでしょうか」と振り返った。
劇場先行版ではインパクト抜群のシーンが描かれる宇佐美上等兵役の松岡は、鯉登同様に鶴見中尉への心酔を見せる宇佐美についてこう語る。「もともと宇佐美が出てきた当初って、なんであれだけ鶴見中尉に心酔していたのかがわからなかったと思うのですが、今観返すとわかると思います。ホクロを描かれて刺青にしてしまうような、ただ頭がイカれた人間だと思われていましたが、鶴見中尉に自分の命をかけても絶対にこの人について行くということ、そして(鶴見中尉に)投げかけてもらいたい言葉の意味がわかると思うので、変態ではありますけれど、それだけ一途な人物であることがわかっていただけると思います」と話してくれた。
土方陣営の長である土方歳三役・中田譲治は「もう(シリーズが始まってから)8年経っているということで……」としみじみと月日の流れを噛み締めつつ「最初から観ていただいている方も、途中から観ていただいた方も、こういった機会を設けていただくことで一緒に(作品の)ゴールを目指して盛り上げられたらいいなと思っています。演じている僕らでさえ、あの話なんだったっけと忘れてしまうこともありますので、この機会に第一話から観て、もちろん未見の方もTVシリーズを追いかけていただけると嬉しいです」と語った。
シリーズ序盤から旅を続ける杉元一味の白石由竹役・伊藤は「やっぱり『ゴールデンカムイ』という作品は、大画面に向いている作品だなと改めて思いました。いままでの作品も総集編でいいから大画面で観たいなと思わせてくれるような迫力のシーンの連続です」と振り返りつつ、自身が演じる曲者・白石についてもコメント。
「本当にこいつは味方なのか敵なのかどっちなんだろうって思われますが、第四期終盤の倒木のシーンを迎えた段階で、完全にこの2人(杉元とアシㇼパ)に対しては心を開いた状態の白石として最終章に入っているつもりです。昔からの囚人仲間である房太郎の影響も受けつつ、最後の決断に向けて白石がどう動いて行くのかを、最初こんなやつだったって踏まえながら振り返って観ていただくと、変わっていく過程を楽しめると思います」と語ってくれた。
「こんなに幸せなことはないと思える作品」




