■脱原発から脱炭素へ
また太陽光発電を含む再生可能エネルギーは、脱原発の旗印にもなっていたが、いつしか脱炭素を目指すものへと文脈が変わったともいう。石川氏は「2012年に原子力の事故があり、メディアも政治も『脱原発』と言い始め、再生可能エネルギーがこの世の救世主のように言い始めた」と語る。原発(100万kW級)1基の設置に0.6平方キロメートルを必要とするが、これと同等のものを太陽光発電で補おうとすると約58平方キロメートル(山手線の内側面積)ほどが必要となる。
ところが現在は脱原発よりも脱炭素に対して語れることの方が増えた。大場氏は「この制度は原発に代わる電源を求めるために作られた。ただし2015年ぐらいには(建設が)全部決まってしまった。脱炭素と言い始めたのは2020年くらいから。後からストーリーを変えている。いかにも脱炭素のための太陽光になっていった」と指摘する。
では火力発電との比較はどうなのか。「今は太陽光もだいぶ(設置の)値段が安くなって、補助金もいらなくなってきたくらい。火力発電の燃料の値段がどんどん上がってきているので、それと比べると(運用も)安いぐらいになってきている」とし、その上で脱原発についても改めて「原子力も再稼働や新規開発の話はあるが、今は規制が非常に厳しい。原発を新しく作るよりも、太陽光をできるところでやった方が、コスパがいいこともある」と説明した。
(『ABEMA Prime』より)

