捜索隊をにこやかに迎えてくれたのは、この家の長男(59)の妻(55)だった。彼女は心理カウンセラーとして働いており、8人ほどの参加者を集めて講座を行っている最中だった。

 長男によると、この母屋は曾祖父が建てた築135年の建物。敷地は近くの山を含めて13代続く同家の所有であり、長男は13代目にあたるという。周囲の分家はすでに出ていて、灌漑用のダムの下には2軒が沈んでいるということだ。

 母屋の縁側から見渡すことができるのは、「京都から庭師さんに来ていただいて造ったようだ」という見事な日本庭園。長男は、「僕らと母が見るだけではもったいないので、いろんな人に見ていただきたい」という思いから、時折、セミナーなどを開いていると語った。

 父は7年前に他界し、現在は母(85)がデイサービスに通いながら住んでいる。長男が6キロ離れた自宅から毎日泊まり込みで、妻も仕事をしながら毎日通ってお世話をしている。

三男の心臓手術で「教職を辞めた」両親の決断
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