人力車は車体だけでも90kgあり、持ち上げるだけでも一苦労だ。しかし選手たちは“爆走”する。圧倒的な速さを見せたのは、同じ浅草のライバルである元ラグビー日本代表の児玉健太郎さん(33、松風所属)だ。
予選では、児玉さんが15.173秒で1位、原田さんは15.910秒で5位となった。1位とのタイム差は、わずか0.7秒。原田さんは決勝に向けて、「むしろ障害物があった方が、馬力があるので勝てると思う」と意気込んだ。
2日目の決勝には、東京力車の鬼試験を取り仕切る西尾竜太代表も激励に駆けつけ、「1位、2位、3位を取らないと全員退職になる」と冗談を飛ばした。
障害物競走は100mのコースだが、途中で15度の急勾配の坂をのぼり、1周約25mの巨大バルーンを回転する。挑戦前に原田さんは、「難しそうなのは坂を下るとき。人力車の重さがそのままスピードに乗って、降りてきてしまうため、足の回転が追いつかなければ、そのままこけてしまう。そこさえ越えれば入賞に近づける」と分析していた。
原田さんは決勝で、15度の傾斜を猛スピードで駆け上がり、巨大バルーンを一周する障害物も難なくクリアした。結果は30.112秒。奮闘するも7位に終わり、「いやー、キツイ。29秒出せなかった、悔しい」と嘆いた。
優勝者は脅威の27秒台を叩き出す
