■合計11台のキャンピングカー「1台も使われてない」

キャンピングカー
拡大する

 懸命な自助努力によって復興に努める島民たちがいる中、都の動きはどうなのか。プッシュ型(被災地の自治体からの要請を待たずに、必要となる物資などを支援する方法)で進めた小池知事が八丈島に送ったとされるのが6台のキャンピングカー。2日に到着したが、さらに5台が追加される予定だというが、これがまるで機能していないという。

 宮代氏は「東京都の方々も様々な支援策を考え、プッシュ型で(物資が)入ってきた。その中でキャンピングカーが話題になっているが、島には高齢の方も多く、車内の段差が高いものがニーズに合っていない。また免許を持っていない方はエンジンをかけ、電気をつけて生活もできない。私が知る限り(6台は)1台も使われていないと認識している」と、稼働ゼロ状態だと述べた。

 では、今必要なものは何なのか。まずはボランティアだ。「現状は島内ボランティアのみだが、11月の頭から島外ボランティア受付も開始するために準備が始まっている。(倒木の)伐採をしなければいけないのが大きい。伐採についても、チェーンソーを持っているから手伝いに行くというような日曜大工レベルでは、想像を絶する危険箇所の中では難しい。いわゆる技術系災害ボランティアの方々に入っていただきたい」と語る。

 さらにキャンピングカーよりも必要だというのが、伐採・撤去作業に必要な重機だ。「あるにはあるが、民間で重機を持っている方に無償で借りている状況。(都にも)今、提案しているところだ」。なかなか本当に必要なものを、都などに求められなかった状況もある。八丈町議会議員・浅沼碧海氏は、島内の混乱状況を明かす。「島の規模感で生きてきた中で(それを超える)今回の大規模災害で、情報の整理や全体像の把握がとても難しかった。支援物資や復旧に必要な資材、ニーズの検討が大変。今まではインフラ復旧で精一杯だったが、今後は早急に検討しなければいけない」と、町議会・町役場といった機能も不全状態に陥っていたとも述べた。

■「島を離れる家庭が出ている」
この記事の写真をみる(9枚)