■再就職支援を行う“やらかし”当事者「なかなか前を向けない人が多い」
山下さんは、ストレスから盗撮行為に走ってしまったという。再犯防止として、「脳のメカニズムを学んだり、クリニックや専門のNPO法人などに1年以上通って、根本的に治そうと取り組んできた」と説明する。
再就職を目指す中でぶつかった壁の一つが、転職サービスにおける人材紹介の仕組みだった。「人材を紹介して企業からお金をもらう仕組みなので、ある意味“事故物件”だと言わずに紹介させるわけにはいかない。そこで伝えると、紹介が来なくなってしまう」と語った。
逮捕されて大手メディアを懲戒解雇された経験から“やらかした人”の再就職支援を行うサービスを立ち上げ、山下さんも支援したキリオ(中村元)さんによると、相談に来るのは“ある程度立派な経歴の人”が多いという。「例えば四年制大学を出ていたり、社会人としての経歴があったり、妻子がいたりする。その人がやったことは自業自得だが、そこで仕事を失うと、次に何をやったらいいのかわからない。なかなか前を向けない人が多い」との見方を示す。
また、支援も足りないといい、「逮捕されたけれども刑務所に行かなかった、罰金や不起訴で終わったようなケースは、“あとは自分でなんとかしてください”という世界。しかし、そこに対する公的なアプローチは今のところない」と投げかけた。
会社や社会はどう受け入れたらいいのか。山下さんは、「面接で落ちてしまった時に、“全てこれが原因だったんじゃないか”と決めつけるのではなく、自分に足りなかったところを冷静に分析する。自分自身が培ってきたものが全て消えてしまうわけではないので、キャリアの棚卸しをしながら、自分の強みをサポートもいただきながら言語化していった」と自身の動きを述べた上で、「一緒に働くのであれば、皆が事実を知っていただいていることが負担が少ないかもしれない。ただ、女性社員の方にとっては受け入れ難いし、嫌悪感しか抱かないと思う。その方々が働きやすいほうを優先したいと思っている」とした。(『ABEMA Prime』より)
この記事の画像一覧
