学校に“過剰な要求を繰り返す”保護者のトラブル、いわゆる“モンスターペアレント”の事案を調べてみると、保護者自身にもさまざまな悩みがあったなどの実態が見えてきた。弁護士・三輪記子氏は、その仕組みづくりの必要性について言及した。
「“うちの子がおたくのクラスの子ににらまれた”という理由で、深夜1時まで電話」、「“子どもが家の壁をけって穴をあけた”“学校のストレスだ”と家に呼び出された」など、現役の教員らが受けた“保護者からの理不尽なクレーム”。
「保護者には学校が対応するべき」との前提をなくすため、去年4月、奈良県・天理市が開設したのが、「保護者対応の専用窓口」だ。過度な要望などカスハラにあたるような事案は原則として窓口が対応する。窓口を開設した結果、管理職の7割、教職員の33%が保護者対応の負担感が軽減したと回答している。
当初は教員の負担軽減策として開設した専用窓口。開始から1年後、保護者の訴えを分析すると“ある課題”が見えてきたという。
保護者の過剰な要求を分析 「9割が自分自身の悩み」
