2010年、殺人罪などの公訴時効が撤廃されたが、命を奪われても殺人罪は適用されず、未解決のまま「時効」を迎えた被害者家族がいる。
群馬県富岡市で2013年5月、和食店店主の瀬下光さん(当時64歳)が営業後に帰宅途中、県道を渡ろうとした際にひき逃げに遭った。妻のとし子さんと息子の大樹さんは、突然大黒柱を失った。
大樹さんは「当たり前の生活をしていたのが急に変わっちゃうわけですから、心に傷が残りますよ。うちはいま時効を迎えましたけど、それでもすごい思い出しますからね、あの日のことを……」と語る。
2023年、ABEMA的ニュースショーはとし子さんと大樹さんに話を聞いていた。
「あの辺ですね、ひかれたのは」と、店のすぐそばの発生現場を指した大樹さん。とし子さんは「(道を)渡って目の前。警察の方が来たときに『ひき逃げですね』って。バラバラになって、靴がね」と振り返る。当時は防犯カメラもあまり普及しておらず、手がかりはほどんどない状態だという。
犯人が判明しないまま時効を迎え…
