■コンテンツ人気と関係なく高騰するトレカ

高額のポケカも
拡大する

 トレカ窃盗被害が増える背景には、世界的な需要にある。山本さんは「今、滋賀と京都で店舗をやっている」が、そこには海外からのインバウンド客も多数訪れる。「京都の店舗は本当にインバウンド狙い。お客様から買い取ったポケカのボックスなどは、本当に日本ではありえないぐらいの額で買ってもらえる。日本なら新品で5500円で買えるところ、海外の方は1万円でも1万5000円でも買っていかれる状況だ」という“バブル状態”だと表現する。

 マクドナルドのハッピーセットで配布されたカードも、当初は1パック500~1000円程度で取り引きされていたところ、次第に相場が高騰。一時は8000円程度まで上がり、現在でも約4000円の値がついているという。また、過去最高値で取り引きされた記録では、世界で39枚しかないポケカ「ポケモンイラストレーター」が、527万5000ドル(5.8億円)で取り引きされ、最も高額なポケカとしてギネス認定されたこともある。

 また、ゲームに勝ちやすくなる強いカードに高値がつくというイメージを持たれるところだが、必ずしも強さとは関係なく、あくまで「レア度」が価格に直結している。今後新作カードが出たとしても、枚数が増えない過去のものの価格は、そこまで崩れないどころか、今後販売されないことで希少性が上がり、価格が上がる。ポケカの売買を“投資”と捉える人は、今後値上がりが期待されるカードを大量に集め、売り時に備えているともいう。

 2ちゃんねる創設者・ひろゆき氏も現在のトレカ市場、特にポケカ市場については「切手にも数億円するものがある。その切手はもう郵便に貼って届けることはできないので、切手としての価値はないが、レア度があり美術品のように価格は上がり続ける。コンテンツの魅力とは別に、中古市場が、世界中にマーケットとして存在している」と、今後も市場の広がりや価格高騰は続くという見解を示していた。
(『ABEMA Prime』より)
 

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