■京大大学院卒も就職活動で苦戦

源カイバさん
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 源カイバさん(30代前半)は、関東のとある大学から、京都大学大学院へロンダリングした。試験内容は英語論文の日本語訳と、化学などの筆記(4科目)、面接だったが、倍率が1倍程度で基準点さえとれれば合格できたそうだ。

 しかし、就活では学歴を生かせず大失敗してしまい、現在は手取り19万円の派遣技術者(8年目)として働いている。失敗した理由には「就活のリサーチ不足」「先輩たちの内定先がよすぎた」「学歴への信頼から最大手しか受けなかった」ことがあり、学歴のラッピングを取っ払ったときに、周囲と戦えるほどの中身がなかったと語る。

 ロンダリングの経緯は「『高収入かつ楽しい仕事がしたい』と、食品メーカーの商品開発を志望した。『理系院卒』が採用条件だったが、私の大学にはそもそも大学院がなかった。そこで、興味がある研究をする中で、一番有名なところに挑戦しようと、京都大学の院に挑戦した」と話す。「就活中は『研究を仕事にしたい』とこだわり、考えが凝り固まっていた」。

 周囲の反応については、「普段の生活で『ロンダリングだろ』とバカにされる経験は一度もなかった。京大生はモラルも高く、そんなことを面と向かって言わない」として、「いい経験だった。設備など高いレベルで学べる。留学生や留年を重ねている学生といった、いろいろなバックグラウンドを持つ人と話せたのも良かった」と振り返る。

 精神面では「京大の院に行けたことが、自己肯定感につながった。就活に失敗したことも、笑い話として消費している」という。「やりたいことによるが、研究がしたいのであれば『理系院卒』の学歴が必ず必要になる。ならば、より高い方へ行った方がいい」。

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