■「高市さんの発言は誤解がある」

阿部氏
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 阿部氏は「高市氏の発言に対して誤解がある」と指摘する。「『どういう事態であれば、“存立危機事態”に認定されるのか』という質疑で、高市氏は『総合的に勘案して認定する』と答弁した。具体的に『台湾でこうした事例が起きれば適用される』と言ったわけではないことは理解してもらう必要がある」。

 PNG発動までの流れは、「これまでの事例を見ると、まず自主的な出国を要請する場合がある。具体的な外交プロセスは今後見ていきたい」という。メリットやデメリットについては、「最後に死守すべきは国益だ。我が国にとっての最善を考えなければならないが、やはり一定の対応を取ることは大事だ」と訴える。

 もし国外退去となっても、相手国から後任者はやってくる。「どういう人物が来るか。PNGを発動するのか。最終的には政府にかかっているが、政府を代表する以上は、基本的に公式発言となる」。

 薛氏については、「『首を斬る』発言は消しても、その後に『「台湾有事は日本有事」は日本の一部の頭の悪い政治屋が選ぼうとする死の道だ』『敗戦のような民族的潰滅を喰らうことが二度とないようにしてほしい』などと勇ましく言っている。懲りずにこうした投稿をしている人物が中国を代表して、我が国と外交できるのか。非常に疑わしい」と評する。

 伊佐氏も「『首を斬る』投稿も自主的に消したのではなく、日本政府が厳重抗議したためだ。それでも続けているのは大問題だ」と同調する。

 その上で、「中国も戦略的に外交を行っている。関税以外にも、例えば安全保障上の問題が起きたとき、レアアースを武器にする可能性もある。日本政府は今回、断固とした態度を示す必要があるが、ではPNGだけで解決するのか。今後どうやって収めるかについては、あらゆる側面からの交渉が必要だろう」との考えを語った。

(『ABEMA Prime』より)

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