【スーパーフォーミュラ】第10戦 (決勝11月23日/鈴鹿サーキット)
荒天により延期されたスーパーフォーミュラ第10戦決勝が鈴鹿サーキットで行われ、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)が圧巻のパフォーマンスで自身初優勝を飾った。
予選は富士スピードウェイで行われ、決勝のみ鈴鹿で実施された異例のレースは、タイヤ交換のない19周のスプリントフォーマットで争われた。
予選2位からスタートしたフラガは、鋭いスタートでポールポジション(PP)の牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に一気に並びかけた。アウト側から牧野を鮮やかに交わして首位に浮上したこのオーバーテイクは、所属チームの監督、中嶋悟氏が現役時代に得意とした“大外刈り”を彷彿とさせるものだった。今季、スーパーフォーミュラに初参戦となった27歳のフラガは、短距離レースで1度も首位を明け渡すことなくそのままチェッカー。2位牧野に1秒8差をつけて初優勝をあげた。
ブラジル出身、ゲームの世界でもグランツーリスモ世界王者に輝いた異色の経歴を持つ27歳の大物ルーキーはレース後「チームの皆とここまで来られて嬉しい」と感謝を述べた。また、「日本に来てからチャンスがなかなか無いなか、中嶋(悟)さんが機会をくれて、育成(ドライバーのルート)で来ていないぶん、チャンスを掴むことは本当に難しいことだが、チャンスを得たからには結果で返したかった」と語った。さらに、「このチャンスは絶対無駄にはできないと思っていた。この1位はめちゃくちゃ嬉しい」と、声を震わせて喜びを滲ませた。
このレース結果、年間チャンピオン争いはさらに混沌。23日午後の最終第12戦決勝を前に、ランキング1位の坪井翔(116.5点)から、牧野、太田格之進、岩佐歩夢の4人までが12.5点差以内に入る大混戦の様相となった。(ABEMA『スーパーフォーミュラ2025』/(C)JRP)
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