今の状況に照らし合わせて懸念が、ということかと問われ「今の状況に照らし合わせてなどということは言いません。常にそういう気持ちを持っていなきゃいかんということで、今がどうだから80年所感がどうだというようなことを私は言っているわけではない。だから、感情に引きずられちゃいけませんよということと、中国の陸海空軍の能力、台湾の陸海空軍の能力、アメリカのいろいろな意図、それを全部考えた上で日本の安全保障というのは立案されなきゃいかんのでね。さあ一言でどうぞみたいな話ではない」と語った。

 改めて青山氏は「今、例えば中国大阪総領事の『首を斬る』という発言とか、そういうものに対するいろいろな反発が世論の中に出ている。確かにあの発言は私もひどい発言だと思うが、ただ、それを殊更にあげつらうことによって国益を損するのではないかという見方もある。石破氏は今、中国との向き合い方はどうあるべきだと思うか」と尋ねた。

 石破前総理は「それは営々と築いてきた、昭和47年以来の関係があるわけですよ。そして、観光業の方、ホタテ(業者)の方が『困ったね』という話があって、もうレアースだってそう、医薬品だってそうでしょ。いろいろな関係が日中の間にはあって、感情的に腹が立とうが何しようが。例えば医薬品、レアアース、観光業、日本と中国の関係って大事にしなきゃいかんのだと。それは中国の言いなりになるとかそういう話じゃなくて、日本は日本として確固たる考え方を持っていますということはきちんと示した上で。だって、例えばみなさん、中国製のものが何もありませんなんていう家どっかあります?病院にかかって、中国に関係した薬を全く投与されたことありませんなんて人誰かいます?だから、日中というのは感情で動かしてはいかんのですよ。利益で全部動かせとは私は言わないけれど、昭和47年以来、どれだけの人がどれだけの努力をしてきたか。そして戦争中に何があったのかみたいなことを知る努力は常にしないと、日中関係なんてマネジメントできない」と自身の考えを述べた。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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