■ワクチン接種のリスク、どう捉える?

ワクチンを接種する人が減少
拡大する

 「集団免疫」の観点からしても、やはりワクチンは勧めたいものではある。「ワクチンには、重症化の予防がある。子どもの異常行動もあれば、基礎疾患がある方は重症化しやすい。その予防は大きな理由の一つだ。また、社会の中でほとんどの人がワクチンを打っていないと、そこに感染した人が入った場合にあっという間に広がってしまう。だが、みなさんがワクチンを打っていれば、広がらないで済む。社会全体に免疫がある状態が、子どもや妊婦、高齢者、持病がある人を守ることになる」。

 ただし、それでもワクチンは副反応などリスクがゼロではない限り、なかなか強制的に打たせるというわけにもいかないところが難しい。「子どもの時にも、たくさん予防接種を打つが、それも義務ではなくて、あくまで努力義務。最終的な判断はおまかせになる。しかし、ワクチンがなかった時代には、もっと多くの子どもが病気で死んでしまった。そういう確率を圧倒的に減らせている。また、副反応が出た時にも、明確に関係性が疑われる場合であれば、救済措置も整えられている」とも語った。

 一連の説明を聞いた上で、パックンは「ワクチンはマナー」だと例える。「今はまだマナーになっていない。ただ自分は『あの人を守っているぜ』という気分になれる。自分もコロナに1回、2回となったし、ちょっとつらかったか命に別状はなかった。ただ、感染しない方が(他人に)感染もさせない。だから、ワクチンを打って自分が防御壁になる。『俺はヒーローだぜ』と思っている」と語った。

 一方、コラムニストの小原ブラス氏は「周りでワクチンを打っていないことによって、迷惑を被っている人の姿が、あまり見えない。そういう人が見えない以上、協力しようともならない」と語る。その背景には、父の死が関連している。「父はがんだったが、その時に使った薬は数万人に1人、骨が溶けるというもので、本当に確率は低いという話で納得はしたが、結局は骨が溶けるという痛い目にあった記憶がある。科学的には何万人に1人という低い確率だとわかっているが、やはり当たる時は当たる」と、ワクチンで重篤な副反応が出ることのリスクは、打たない以外に回避できないという思いも述べていた。
(『ABEMA Prime』より)
 

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