■地方議会における深刻なジェンダー不平等

地方議会における女性議員の割合の推移(2024年12月末現在)
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 地方議会における女性議員の割合は極めて少ない。能條氏は「市議会はまだ2割を超えていない。町村議会に至っては14.1%となっている。日本の“地方議員”のうち、半数以上が60代以上の男性(朝日新聞 2023年の調査)。一番生活に身近なことを話し合う政治の場が地方議会だと思うが、じゃあ私たちの代表はいるの?と考えた時に、20代〜30代の女性は1%未満。そこから変えていく必要があると思う」と述べた。

 能條氏は、若者の政治参加を促進する団体の代表としても活動する中で、多くの国会議員と面会をする機会があったが、そこで自身に求められることは主に3つのパターンに分けられたという。

「1つは、“若者と交流しているアピール”に使われる。話を聞いて、何もやってくれないけれど、最後に写真だけ撮って『若者の声を聞いています』みたいに使われる。2つ目は、若い女性に対して『子供を産んでくれる人』としての期待。少子化対策をどうしていくか議論をした時にも、その人がどう豊かな人生を歩むのかという点は見てくれなかった。3つ目は、自分の私利私欲を満たすこと。セクハラもそうだし、褒めてほしい、自尊心を高めたいという感じで、学生にちやほやされたいと思っている人もいるのだろうなと感じた。政治の場に今いる人たちに働きかけるのも大事だけれど、いる人たちの顔ぶれを変えないと、自分たちが思っていることは届いていかないのではないかと思うようになり、議員を送り出す活動を始めた」

「女性総理の誕生はゴールではない」
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