今回の取材に応じた理由は?

ギャビーと母親
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ギャビー「2人の時間がハッピーなものであってほしかったし、それを聞いてお母さんを傷つけるのも嫌だった。その時は聞かない方が自分のためかなって思って。ある意味、自分を守るためでもあったのかな」

━━帰国して、気持ちに変化はありますか?

ギャビー「今は聞きたい気持ちもあります。もし聞いても、多分彼女らしい答えが返ってくるって自信はありますね。今だったら聞ける」

 真相を聞くため、ギャビーは母親とオンライン通話をすることにした。

ギャビー「ママ、あれから調子は大丈夫?」

母・ナタリーさん「大丈夫よ」

ギャビー「キレイ。もっとキレイになった」

母・ナタリーさん「ギャビーが幸せにしてくれているからよ」

ギャビー「アメリカで一緒に過ごした時間、あなたといることが私は本当に幸せだった。でも聞けなかったことがあるから、リラックスして大丈夫だから、話を聞かせてほしい」

母・ナタリーさん「なんでも聞いて」

ギャビー「5歳の時に私の前からいなくなった理由はすごく複雑だと思うけど、 離れた一番の理由は何だったの?」

母・ナタリーさん「ギャビーと離れたくて離れたわけではない。当時はすごく難しい状況で日本にいることができなかった。辛い状況で自分でコントロールできなかった。ギャビーはずっと心の中にいて愛していた。ずっと探していた。毎日再会できることを祈っていた。こうして今、再会できてすごくうれしい。これから親子で前に進んでいくことが重要。当時は私がどうにかできる状況ではなかった」

ギャビー「日本に住んでいる娘たちを取り戻そうというアクションはしたの?」

母・ナタリーさん「当時、日本に戻ることは許されなかった。連絡を取ることも許されなかった。だから会える日のために生きてきた。娘と離れたくなかった。私の夢は大好きな日本に戻ることだった。娘と一緒にいたかった。娘のためにそばにいたかった。私たちは一緒にいるべきよ。私たちは離れているべきじゃない。それが私の夢で望むこと」

 ギャビー、母親、両者の目から涙が溢れる。

ギャビー「これから私たちの関係はそうやって強く……今までは一人で解決してきたけどもうこれからは一人じゃなくて、苦しい時も辛い時も時間を共有して、これから新しい家族の形を進めていけたら、私はすごく生きやすくなる」

母・ナタリーさん「そうね、そうなるべきね。愛しているわ。『さよなら』じゃなくて『またね』」

ギャビー「See you later」

 通話は笑顔で終わりを迎えた。

 母親の言葉を聞いてギャビーは何を思ったのだろうか。

ギャビー「今回、私を置いていった明白な理由は知れなかったんですけれど、お母さんを見て話してみて、誰かを守ろうとしているように感じた。お父さんもお母さんも私にとっては本当に大切な存在で、お母さんの意見を聞いたからといって、こっち(お父さん)が悪いっていう考えもない。お父さんに対して育ててくれたリスペクト、お母さんに対して産んでくれたリスペクト。2つが重なって今の私がいるので、そこを守りたいと思うから(詳しくは)聞かないでいたい」

 なぜ自分を日本に残したまま戻ってこなかったのか、その理由は明らかにならなかった。ただ、ギャビーには確信を持って言えることがある。

ギャビー「捨てられてない。それだけは言える。ずっと私のことを思ってくれてたし、取り戻そうとしていたし、それより彼女がこの長い間苦しんだ時間の方が私は痛くなる。はっきり言えるのは(アメリカに)行く前の私は自信がなかったですが、今は自信を取り戻せて、私は捨てられてなかったっていう、そこは真実を聞いてよかったかな」

 もしかするとギャビーが確かめたかったことは「自分が捨てられた理由」ではなく「私を愛してくれていたか」ということだったのかもしれない。

━━これからも会うことはある?

ギャビー「もちろん。お母さんには言えなかったんですけど、日本に来てもらえるように、ここからは私が努力する番だと思う。いつか日本に来てもらって、そこでまた再会して、日本を大好きになってほしいです。辛い思いした国だと思うので、日本ってすごい良いところなんだって伝えたいです」

 最後に、なぜ今回の取材を受けたのかを聞いた。

ギャビー「私みたいに親子が離れたり、親が離婚したり、辛い思いをしてきた人は本当にいっぱいいる。(親との再会を)発信して、勇気を持てたり、自分のアイデンティティとかバックグラウンドを知れるきっかけを手放してほしくない。少しでも背中を押したい、そして一人じゃない。自信を持ってほしい。そのきっかけになれば嬉しいです」

(『ABEMA NEWS』より)

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