■ひろゆき氏が考える日本のコメ文化

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 ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は、「一般の日本人家庭が、普通の食事でコメを食べ続けられる状態をどうやって維持するかだ」と指摘する。「コメ専業農家の平均年齢は70歳を超えている。基本的にもうからず、高齢化も進むと、コメを作れなくなる。一部成功している若い人もいるが、平均的にはもうからないから生産者も少ない」。

 そんな状況の打開策として、「米食文化を残したいのなら、消費量を増やさないといけない。マイナンバーカードに“デジタルおこめ券”を配り、一定量のコメを交換できる状態にして、ある程度の消費量を確保した上で、公務員的に作らないと文化が維持できない」と提案する。

 物価高対策には現金給付も選択肢だが、「現金で配ると、お米以外も買えてしまう。マイナンバーカードにすれば、そこまでコストもかからない」と否定的だ。また、「市場価格は高くしてもいい。訪日外国人には高く買ってもらいつつ、日本人は『おこめ券だから低負担で食べられる』という状態にして、コメ文化を残す」といった案も出す。「全国の消費量を増やさないと、コメ農家は立ち行かなくなる。新潟の人も『食べないから別に要らない』ではなく、積極的に『食べて』と勧めるべきだ」。

 世間では「3000円程度配っても」と消極的な意見もあるが、「それが結構大事だ」と考えている。「若者は一人暮らししてもテレビを買わず、炊飯器の保有率も6〜7割しかない。コメは基本的に食べず、パンやパスタを食べ、総菜を買う。そしてコメを炊く食文化が失われたまま、家庭を作ってしまう」。

 そのため「3000円のコメをもらえるなら、とりあえずもらってみよう」という動機が重要となるという。「炊飯器をもらって、コメ料理に触れる機会が増える。日本で小麦粉を地産地消する文化は、科学的に成立しない。文化と防衛面で『コメの育成』は必要だが、なぜそうならないのか」。

 「指定した価格」で買い取る形の支援については、「いいものも、ショボいものも、同じ価格になってしまい、より安くて大量に作れるものに偏ってしまう」と危惧する。「EUでは、農地面積あたりで補助金を出している。『何を作ってもいいが、農地は維持して、作物を高く売って』との条件により、農家も創意工夫する。日本も長期的にはその方がいい」。

 ヨーロッパと日本を比較して、「フランスは平均農地面積が約20ヘクタールで、年間250万程度もらえる。日本は1人あたりの農家面積が10分の1のため、農地をある程度、集約しないと食えない。集約すれば生産コストも下がるため、10年程度で小作農的な農家が農地を手放し、大規模志向の農家に集約する」と予測する。

 加えて、そもそもの日本の地理的特徴が、高騰の背景にあると考察した。「アメリカなどと比べ、日本はやはり土地が狭い。その中で食物を作れば、高くなるのは当然だ。経済合理性で言えば、『日本で農産物を作らない』が一番正しくなるが、そうなってはダメだという話。日本人として何を維持するかだ」。
(『ABEMA Prime』より)
 

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