石田氏が異議申立ての真意を語る。「『くじだ』という情報が入ってきた。選管委員長がくじを引くと、そのときに聞いて『えぇ?』と思っていたら、もう引き終わって『相手の方が当選しました』と、バタバタバタバタと決まってしまった」。

 公選法の規定には、選挙長がくじを引いて決めるとあるのみで、総務省によると「くじ引きの方法は各自治体の判断」だという。

 石田氏は、くじ引きの場に立ち会えず、結果だけを知らされたことに不信感を抱いた。神栖市のルールでは、まず「1」「2」の数字が書かれた棒2本が白い筒に入れられ、選挙長が「予備くじ」を引き、「本くじの順番」を決める。今回は木内氏の本くじを先に引くことになった。選挙長が引くと「1」が出た。数字が小さい方が当選という決まりで、木内氏が当選となった。

 石田氏は「なるべく多くの人に、早めに決着をつけて周知させたい。やっぱり(選管は)真面目。例えば両方の営に、まず伺いを立てる。その中で『どうしようか』などの思いやりも多少あって良かったと思う。同じ『くじ』にしても……」と嘆く。選管は「今回の選挙結果及び手法について、問題があるということはない」との見解を示している。

 開始から5時間。再点検の数え直しでもどちらも1万6724票となり、くじでの決定通り、木内氏の当選は変わらない結果となった。初当選となる木内氏は「同じ結果が出て、ほっとしている。日本一ラッキーな市長として、そして、日本一人気のない市長として頑張っていきたい」とコメントした。一方の石田氏は、「私自身は納得できない。後援会と相談しながら、県選管でどういう判断があるかを含めて情報収集して、明日には決めたい」と語った。

“くじ引き選挙”に専門家が私見
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