今回の“くじ引き”について、『くじ引き民主主義』という著書もある同志社大学政策学部の吉田徹教授は、「人口構成に沿うようにランダムにくじ引きで抽出した方が、より民意をバランス良く政策に反映できる」と考えている。くじでの決定は「市長としての正当性に疑問符が付けられている状態」だと理解した上で「対立候補を支持していた民意も考慮し、相手の政策を取り入れながらやっていくことが求められる」とした。
そもそも民主主義は、市民の参加を前提としている制度だ。その上で吉田教授は、選挙自体を立候補ではなく「くじ引き」で選ぶことで、政治にまつわるさまざまな弊害を解消できる可能性があるとする。「選挙に当選するために耳障りの良い政策を並べる必要がなくなり、受けが悪くても誰かがやらなくてはいけない長期的な課題にもじっくり取り組める」。
長崎県平戸市議選もくじ引きで決着
